トップ理科総合B 改訂版3部 人間の活動と地球環境の変化>1章 人間の活動と環境の課題6節 生物多様性の変化を探る

6節 生物多様性の変化を探る

 


図25 絶滅種と絶滅危惧種の例

生物多様性

絶滅種・絶滅危惧種

外来生物

考察


 

   教科書の図表の解説                           

25 絶滅種と絶滅危惧種の例

ゴリラ:アフリカ大陸の赤道付近に広がる森林地帯にすむ,大形霊長類。山地にすむマウンテンゴリラ,比較的低地にすむニシローランドゴリラ・ヒガシローランドゴリラの3亜種に分けられる。内戦や乾燥地化の影響で生息場所の森林が失われ,生息数が減少している。特に,マウンテンゴリラは非常に少なくなっている。

ジャイアントパンダ:中国の四川省・雲南省・チベット自治区にすむ体長120150cmのほ乳類で,タケやササを主食とするが,リンドウ・クロッカスなどの植物や,小鳥・ネズミなどの小動物なども食べる。主に単独行動をし,行動範囲も広い。地域の人口増加や開発によって竹林やササの生えた森林が減少した結果,現在では非常に生息数が少なくなっているといわれている。

ドードー:全長1m強の飛ぶことができない鳥で,大群で地面に巣をつくり生活していた。人をおそれなかったため,船乗りの食べ物として,またゲーム(スポーツとしての狩猟)の対象とされた。さらに,人の持ち込んだイヌやブタがドードーの卵を食べてしまったことなどから,発見から100年後の1681年に絶滅したといわれる。

ニホンオオカミ:古くから本州・四国・九州に生息していた。森林で集団生活をし,あまり人を襲うことはなかった。1732年頃にニホンオオカミのあいだで狂犬病が流行して人や家畜を襲うようになったため,江戸・明治時代を通じて捕獲が奨励された。1905年に奈良県の鷲家口で捕獲された若い雄を最後に見つからなくなり,絶滅したと考えられている。

 

   教科書の内容の解説                           

生物多様性

種内の遺伝的多様性,種の多様性,生態系の多様性の3つの側面があり,地球環境の保全や人類の生存のために,近年その重要性が指摘されている。

 

絶滅種・絶滅危惧種

絶滅のおそれのある野生動植物について,各分類群においてそれぞれレッドリストが環境省より公表されている。また,絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(「種の保存法」)では,種の国際取引に関する条約(「ワシントン条約」)および二国間の渡り鳥等保護条約等に基づき,各種行為の規制や保護増殖のための事業を推進することとされている。

 

外来生物

近年人間の移動能力の飛躍的向上に伴い,生物種が本来の分布域でない場所に移動する機会を得た。このような外来生物は,在来の生態系や人間生活に大きな影響を及ぼすことがあるため,特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(「外来生物法」)が平成1761日に施行され,特定外来生物の輸入・飼養等の規制や,防除が促進されるようになった。

 

考察

(1) 絶滅の危機の要因として「生息環境の破壊・悪化」「乱獲」「進入種の影響」「食物不足」「作物,家畜の加害者としての殺害」「偶発的な捕獲」が挙げられる(国際自然保護連合IUCNによる) ほとんどが人間の活動に関係する。

(2) オオクチバス(ブラックバス)・アライグマ・カミツキガメなどで,近隣の湖沼や池・山里などで見られる。外来生物が在来生物を食べたり,生息環境を奪ったりし,日本固有の生態系へ影響を与えるほか,人の生命・身体への影響,農林水産業への影響などがある。

(3) 国際的には,水鳥のための重要な湿地保全のためのラムサール条約・種の国際取引に関するワシントン条約・多様性保持のための生物多様性条約などが結ばれている。国内においても,種の保存法・外来生物法などに基づく「保護地域の拡大と自然再生の推進」「文化財としての保護とNPO等への参画の枠組み」「外来生物の規制制度の確立」などの対応がなされようとしている。

私たちは,何が問題になっているかを知り,それを多くの人に伝え,自分でも行動するなどができる。例えば,外来生物について,よく知り,「入れない,捨てない,拡げない」ことに協力していくことなどがあるだろう。

 

脊つい動物に見られる「絶滅の危機」の要因とその内訳(国際自然保護連盟による)

「絶滅の危機」には複数の要因が関係する場合があり,合計の%は100をこえる。

 

<参考図書の紹介>

大島康行ら編,「理科年表 環境編」,丸善(2006)

MackenzieA.BallA.VirdeeS.R.,岩城英夫訳,「生態学キーノート」,シュプリンガー・フェアラーク東京(2001)

今泉忠明,「絶滅野生動物の事典」,東京堂出版(1995)

日本哺乳類学会編,「レッドデータ日本の哺乳類」,文一総合出版(1997)

環境省編,「改訂日本の絶滅のおそれのある野生生物」,()自然環境研究センター(20022003)

日本生態学会編,「外来種ハンドブック」,地人書館(2002)

 

 

 

 

 

 

 

 








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