トップ理科総合B 改訂版3部 人間の活動と地球環境の変化>第1章 人間の活動と環境の課題>第1節 課題研究へのとり組み/ 第2節 地球温暖化を探る

1節 課題研究へのとり組み/ 2節 地球温暖化を探る

 

課題のテーマ例

3 屋久島の縄文スギ

10 噴煙を上げる火山(セントヘレンズ火山)

準備

調査方法の留意点 

資料の収集の留意点

考察の留意点

報告書の作成の留意点


 

課題のテーマ例(高等学校学習指導要領解説理科編理数編P.58からの抜粋)

○地球温暖化         

○火山噴火と火山の恩恵  

○酸性雨            

○地下資源の開発と環境  

○台風と台風災害       

○土壌の汚染          

○異常気象と食糧問題    

○野生生物の保護       

○環境に負荷を与えないエネルギー

○地震と地震災害

○河川や湖沼・海洋の水質汚濁

○砂漠化

○大気汚染

○干潟の生物と土壌浄化

○森林の保全と土壌微生物のはたらき

これらについては高度な知識を習得することが目的ではなく,科学に対する興味,関心を高め,自然を調べる能力や態度を育成し,人間と自然との調和を図ることの重要性を認識させ,問題解決能力を身に付けさせるようにするとされている。

 

   教科書の主な図表の解説                           

3 屋久島の縄文スギ

 鹿児島県の屋久島では,樹齢が千年を越えているものを「屋久杉」とよんでいる。その中で,樹齢数千年以上と考えられているのが「縄文スギ」である。屋久島は1996年に「世界遺産」に登録された。

 

10 噴煙を上げる火山(セントヘレンズ火山)

 19805月に123年ぶりに大爆発を起こしたアメリカ・ワシントン州にある火山。大量の火山灰は北米全土を被った。成層圏まで達したものもあり,以後数年にわたって地球の年平均気温を約0.5下げたといわれている。

 

<参考資料>

()日本自然保護協会,「自然観察ハンドブック」,平凡社

()日本自然保護協会,「指標生物」,思索社

●さとう藍他,「自然図鑑」,福音館書店

 

 

   課題研究取り組みの一例「地球温暖化を探る」                           

準備

・課題の設定は重要であり,時間をかけて課題を探す。この場合は「地球温暖化が二酸化炭素の増加と関連しているか」が課題となる。

・次に仮説の設定を行う。この場合「二酸化炭素の変化が気候の変化と関連する」という仮説をたててデータの収集をする。

 

調査方法の留意点 

・気象庁や環境庁の気象年鑑や環境白書にデータが出ているので,そのような資料を集める。

・インターネットの検索機能を使い,「地球温暖化」をキーワードに検索すると,さまざまなサイトが見つかる。その中からデータがあるようなサイトを探す方法もある。

・環境問題や地球温暖化に関する書籍も数多く出版されているので,図書館で借りる。

 

資料の収集の留意点

・たとえば「気候変動に関する政府間パネル」(☆ 政府レベルの地球温暖化問題に関する検討の場として,1988年に設立された組織。世界の科学者や政策立案者の集まり。略称IPCC)の出版物から,「1850年以降の化石燃料の消費による二酸化炭素放出量の変化」のグラフや「1850年以降の大気中の二酸化酸素濃度の変化」のグラフ,「1861年以降の地球全体の平均気温の変化」のグラフを取り出す。いずれのグラフも1850年頃から2000年までのデータが示されているので,比較しやすい。

 

考察の留意点

()グラフ1と2から二酸化炭素の増加の原因が化石燃料の消費に関係していることが考えられる。1950年以降の2つのグラフがいずれも急に傾斜がきつくなり同じような変化をしていることから2つの数値の関連が推測できる。しかしグラフの傾向が同じであるから関連があるともいえないことも知らせておく。たまたま2つのグラフが同じような変化をしていることもあるからである。

()グラフ3の凹凸のあるグラフを全体的な傾向がわかるよう滑らかなグラフにしてみる(グラフ4)

()グラフ4と2を比較すると,グラフの変化のようすが同じような傾向にあることがわかる。これらのことから,二酸化炭素濃度の増加は気候の温暖化に関係があると推論できる。特に1970年以降の2つのグラフの増加は顕著である。しかしこれも前述のように両者の関係は偶然かもしれないとも考えられる。両者の科学的なメカニズムが証明されなければ本当の関係はわからない。しかしこのような方法でまず推論を立てて原因を探っていくのも科学の方法である。

 

報告書の作成の留意点(序章 自然の探究2 探究の仕方>C 報告書の作成も参照)

 (1)報告書の作成の基本的な方法を理解させる。

@はじめに

A研究方法

B研究結果

C考察

Dまとめ

E参考資料一覧

このような流れで書く。「はじめに」は,研究動機やこの研究のこれまでの成果などを書き,決めた課題がいかに重要であるかを述べる。「研究方法」では資料の集め方,資料の整理方法などを述べる。「研究結果」は整理したデータからどのような結果が出たのかを述べる。このときは客観的な結果だけを述べ,議論は考察にまわす。「考察」は結果から考えられるさまざまな推論を議論する。

(2)たとえば次のようなグラフ5(教科書p.142 報告書例,図1)を資料として収集して地球が温暖化していることを説明する場合は,同じ年代で二酸化炭素濃度がどのような変化をしているかのグラフも探し(グラフ6および教科書p.142 報告書例,図2),この2つのグラフを比較し,考察する。

 

考察は過去1000年の温度変化をまず見ると1000年から1900年までは気温が下がっていることがわかる。ところが1900年頃から急に温暖化に転じている。二酸化炭素濃度も1000年から1900年まであまり変化していないのに1900年ころから急激に増加しており,気候の温暖化が始まった時期とほぼ一致しているため,両者には関係があると考えられている。しかしこれも証明されたわけではなくその疑いが非常に高いということである。

(3)2つのデータがどの程度関係があるかを数学的に調べる方法もある。エクセルなどの表計算ソフトを使い,統計処理方法でデータの相関を調べる方法でも考察させてみよう。

 

◆発表の留意点

・発表により理解が深まり研究内容がよくなる。

OHPやパワーポイントを使わせてみよう。

 

<参考リンク>

●全国地球温暖化防止センター www.jccca.org/

国立環境研究所 子どもNIESのページ http://www.nies.go.jp/nieskids/

 

 

   トピックス                           

<オゾン層の破壊>

オゾン層は,生物に有害な紫外線が地表に達するのを妨げる大切な役割をしている。このオゾンの量が,南極などの上空で減少している。この原因の一つとして,フロンの大量使用があげられる。フロンは精密機械の洗浄剤やスプレーの噴射剤などに使われてきたが,先進諸国では特定のフロンの生産を中止し,問題の解決に努力している。

<ダイオキシン類>

 ダイオキシン類はとても強い毒性をもつ物質で,炭素・水素・塩素を含む物が燃焼する過程で発生する。

日本では,その9割以上が廃棄物焼却施設から排出されている。大気中のちりなどにくっついたダイオキシン類は,食物や大気を通して生物の体の中に取り込まれて蓄積され,大きな影響を及ぼすことが心配されている。

 

 

 

 








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