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探求2 ミニ生態系における変化と平衡

 

 

《指導目標》

(1) 自然界のモデルとしてのフラスコ内のミニ生態系の観察から,実際の自然の生態系における変化と平衡について考えさせる。

(2) フラスコ内に限られた生態系における食物連鎖について考えさせる。

《準備上の留意点》

(1) フラスコ内の微生物を発生させる元となる安定した生態系をもつ水槽を確保する。そのためには,60cm水槽の底に砂利を敷きオオカナダモなどの藻類,小さい魚類(メダカなど)23匹を入れ,陽が直接あたらない北側の窓際に置いておく。また,水温や光量などの環境条件も一定にしておくとよい。

(2) イネわらの抽出液は,微生物の増殖のための栄養素となる。0.5%ペプトン水溶液を用いる方法もある。

 

《方法上の留意点》

  出現する生物は,種名まで同定させるのが困難なので,バクテリア(高倍率の顕微鏡で見るか,液の混濁の度合いで見る),藻類(生産者),原生動物(消費者),ワムシ類等(高次消費者)の生物群に分けるだけにとどめる。

 

《考察》

  フラスコ内に増殖した生物は,あらかじめ用意した水槽の中に存在した生物であるが,まず増殖力の強いバクテリアが大量に発生し,さらにバクテリアを消費する原生動物が増え,ついで生産者の藻類,消費者のワムシ類が増えやがて共存し,安定した極相に入る。バクテリアは,一般に分解者であるが,それを補食する原生動物にとっては生産者でもある。

 

《発展》

  「フラスコのなかの生態系」として,栗原康氏の著書に次のような紹介がある。

  フラスコのなかにバクテリア,クロレラ,ラン藻,原生動物,ワムシを入れて,適度の光を当てて,外気から遮断して飼うと,それぞれ個体数は変動したが,永く共存できた。」

 

<参考文献>

●千葉県高等学校教育研究会,「楽しく学べる生態実習ベスト25」,(1990)

●栗原 康,「有限の生態学」,岩波新書,(1975) 

 

 

 








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