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3節 プレートの動きと地球の変動

 

海嶺(中央海嶺)

海山

ホットスポット

図16 日本列島の火山 図18 沈み込み帯の火山活動

図19 沈み込み帯の震源分布 図20 海溝付近の地震

海溝

島弧−海溝系の火山

造山運動

ヒマラヤ山脈の形成

大陸のなりたち


 

A.プレートの誕生と移動

   教科書の内容の解説                           

海嶺(中央海嶺)

 19世紀後半には大西洋の中央に山脈が存在することが知られており,1940年代終わりにはそれが全世界の海底に続く大山脈であることが明らかにされた。その後,海嶺がプレートの生産場所と考えられるようになった。海嶺では,火山活動が活発であり,地殻熱流量も大きい。マントル物質が上昇し,圧力低下のためにマグマが発生しているところである。マグマは玄武岩質マグマで,海底に流出したものは枕状溶岩になっている。また,浅発地震活動も活発である。この地震は,正断層型の断層にともなうもので,海嶺が,両側に拡大しているプレート境界であることがわかる。

 

海山

 円形や楕円形の底面を持ち,海底から1000m以上の高さをもつ海面下の地形を海山という。比較的急な斜面を持ち火山地形に似ている。玄武岩からできていて,海底火山活動によってできたものである。

 海山は群をなして存在することが多く,海山群という。また,ハワイ・天皇海山列のように線状に分布するものは海山列という。

 

ホットスポット

  島弧-海溝系や海嶺のようなプレートの境界以外にも火山は存在する。海のプレートの内部にはハワイを代表とする火山島がある。このような火山をホットスポットの火山という。火山島は,最初,海底火山噴火によって枕状溶岩ができ,海面上に現れると縄状溶岩などを流出し次第に成長する。太平洋の火山島や海山は列をなしていることが多い。これは地下のマントルの深部にある固定されたマグマ源からマグマが上昇し,その結果出来た火山がプレートの移動とともに動いて火山列を作っているためと考えられている。

<参考リンク>

愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター センター長による「21世紀の新版・地底旅行」

 http://www.ehime-u.ac.jp/~grc/

 

B.プレートの沈み込むところ

   教科書の主な図の解説                           

16 日本列島の火山 図18 沈み込み帯の火山活動

 島弧-海溝系の火山は,海溝から100300km以上離れて分布している。この火山分布の海溝側の限界線が火山前線である。沈み込んだプレートから供給される水のはたらきで,マントル物質の融点が下がりマントル物質の一部が溶けて玄武岩質マグマが発生する。また,地殻内でも高温のため一部が溶けて花こう岩質のマグマができる。

 

19 沈み込み帯の震源分布 図20 海溝付近の地震

 環太平洋の地震のほとんどがプレートの沈み込みによる地震である。日本付近では,@海溝の内側付近で起こる巨大地震,A沈み込むプレートに沿って起こる深発地震,B日本列島直下で起こる直下型地震がある。@の地震は図19のようにして起こる地震で,規模の大きなものでは津波が発生する。同じ場所で周期的に発生することが多い。

 Aのタイプの地震は内陸の活断層の活動で起こる。震源が近いため,兵庫県南部地震のように大きな被害が生じることがある。Bは沈み込み帯特有の深発地震で,震源が遠いため大きな被害になることは少ない。

 

   教科書の内容の解説                           

海溝

  大陸や島弧と海洋底の間にあり,急斜面の細長い凹地を海溝という。陸地や島弧と平行にのび,周囲より2km 程度深い。長さは最大数千km に達する。大部分の海溝は陸側の方が急斜面で海側が緩斜面になっている。地球には27の海溝があり,そのうち22は太平洋にある。海溝はプレートが沈み込むプレート境界で,深発地震面や島弧を伴う島弧-海溝系を形成する。

 

島弧−海溝系の火山

 火山前線より内側に分布する。火山前線付近の火山は,安山岩質やデーサイト質の火山活動が活発で,激しい噴火をする。溶岩の流出と火山砕屑物の噴出が交互に繰り返されると成層火山ができる。また,多量のマグマの噴出で,火口付近が陥没したのがカルデラである。

 三宅島の雄山は玄武岩質の溶岩を流出する火山で,比較的溶岩の粘性が小さい。富士山は,玄武岩質の火山であるが火山砕屑物も多量に噴出する成層火山である。阿蘇山,桜島,浅間山などは安山岩質,有珠山や雲仙岳はデーサイト質の火山で溶岩の粘性は大きい。

 

C.大山脈の形成

   教科書の内容の解説                           

造山運動

 プレートの沈み込み帯には造山帯が形成され,造山運動によって山脈ができる。教科書図24はその過程を表している。図24(a)は,大陸起源の厚い堆積物ができ,海洋底の堆積物等が陸側のプレートに次第に付加していく段階である。(b)は海溝の内側で火山活動が活発になり,島弧を形成する段階である。日本列島はこの段階にある。(c)では多量の花こう岩質マグマの貫入を伴う隆起で大山脈が形成される。

 このような造山帯には次のような特徴がある。

@長さ数千km,幅数百kmの細長い構造である。

A次のような各帯がある。

a.高圧低温型の変成岩や超塩基性岩,玄武岩が分布し,チャートなどの遠洋性堆積物を含み,ひどく褶曲している地帯。

b.安山岩などの火山岩や花こう岩が多く,高温低圧型の変成岩を伴う地帯。

c.浅い海で堆積された地層が多く,火山活動のなかった地帯。

B圧縮された地質構造が多い。

 

ヒマラヤ山脈の形成

 1億年前,インド大陸とアジア大陸は,テーチス海とよばれる海をはさんで遠く離れていた。テーチス海の海底はアジア大陸の下に沈み込み,それにつれてインド大陸は北上し,4000万年前に,インド大陸がアジア大陸に衝突した。2つの大陸が衝突し,アジア大陸側が大きく変形し,最も変形の大きな部分がヒマラヤ山脈になっている。

 

大陸のなりたち

 現在,山脈としての地形が残っているのは,主に古生代以降(6億年以降)に造山運動を受けた地域で,古い山脈ほど侵食が進んでいる。古生代以前(先カンブリア時代)に造山運動を受けた地域は侵食が進み,準平原化している。教科書図27の@Aの地域は先カンブリア時代に造山運動を受けた地域で,@では先カンブリア時代の基盤岩が露出している。Aではその上に古生代の堆積物が覆っているが,激しい変動は受けていない。@Aの地域を合わせて安定大陸とよんでいる。これらの地域も1回の造山運動でできたわけではなくそれぞれ違った年代の岩石が分布している。(下図)

    

 

 全世界的にみると,古生代以後の造山運動は,ヨーロッパを中心に3回あった。古生代前期のカレドニア造山運動,古生代後期のバリスカン造山運動,中生代後期から新生代のアルプス造山運動である。北米大陸も中生代まではヨーロッパ大陸と陸続きであったので,カレドニアやバリスカン造山運動はヨーロッパと同じ時期に受けている。図27Bの地域はアパラチア造山帯とよび,古生代の初期に海のプレートが北米大陸の下に沈み込み,その後にヨーロッパ側の大陸が衝突してできたものである。それが中生代の後期に大西洋が拡大し始めてヨーロッパと分裂し,現在のように海岸に接するようになった。この造山帯は北米大陸東部からイギリス北部のカレドニア造山帯に続いていることから,大西洋が拡大する前はこれらはひと続きの造山帯であったと思われる。

 Cの地域は最も新しい造山運動によってできた山脈で,現在も隆起し続けている。したがって,日本列島と同じように,火山活動や地震も多く,地殻変動の激しいところである。

このように大陸は,安定大陸を中心に,そのまわりに造山帯が形成されて,次第に成長してできたものである。

 

 








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