トップ理科総合B 改訂版1部 地球の誕生と地球の姿>第1章 地球の姿とその変化>第2節 地球の内部

2節 地球の内部

 

7 地球の層構造

8 地殻とマントル上部での地震波(主要動)の速度分布

9 世界のプレート分布

プレート(リソスフェア)

プレートの動き

プレートの境界

地震波

地震波による地球の内部構造


 

 

   教科書の主な図表の解説                           

7 地球の層構造

 地球の層構造のようすは地震波の伝わり方によって知ることができる。地震波は異なる媒質中では伝わる速さが変わり,境界面では屈折したり反射したりする。この性質を利用して地球内部を観測する。また,化学組成は,隕石やマグマの化学組成から推測している。

 

8 地殻とマントル上部での地震波(主要動)の速度分布

 この図は海洋部のS波の速度分布を表している。S波の伝わる速さは,地殻中では約3.5 km/s くらいで,マントル中では急に速くなる。しかし,深さ70 km くらいでやや遅くなる部分があり,この部分が低速度層である。

 地殻とマントルの区分は岩質の違いで,リソスフェアとアセノスフェアの区分は物理的な性質(硬さなど)の違いによるものである。リソスフェアは冷たくて硬い性質であるのに対して,アセノスフェアは高温で流動的な性質をもっていると推定されている。 

 

9 世界のプレート分布

 プレートの境界は,海溝や海嶺,地震の分布などから推測されている。収束する境界はプレートが衝突したり沈み込むところで海溝になっている。プレートの動きは地球上のある場所を中心とした回転運動である。

 

 

   教科書の内容の解説                           

プレート(リソスフェア)

 モホ不連続面は,走時曲線の折れ曲がりから見つけ出せるが,これとは別に,震央距離10°付近に地震波の到達しない影の部分がある(下図)。これはモホ不連続面よりかなり深い部分に地震波速度が減少する部分,低速度層があることを示している。

                                                                            

 

プレートの動き

 プレートが動くと,地球上の離れた2地点間の距離が変化する。この2地点間の距離を繰り返し観測することによってプレートの運動を測定することができる。

(1)VLBI(Very Long Baseline Interferrometer)

  超長基線干渉計と訳されるこの方法は,クェーサー(準星)からの電波の到達時刻の差から2地点の距離を求めるものである。日本には茨城県の鹿島にVLBI局がある。

(2)SLR (Stellite Laser Ranging)

 衛星レーザー測距と訳される。人工衛星を利用した位置測定法で,観測地点と人工衛星間の距離をレーザー光で測定し,3地点以上で距離を測定すると人工衛星の位置が決まり,これから他の地点の位置をきめる方法である。

(3)GPS(Global Positioning System)

  汎世界測位システムと訳される。カーナビゲーションシステムとして利用されている方法で,位置のわかっている3個以上の人工衛星の電波を受信して位置を決定する。アメリカが軍事目的で開発したシステムで,カーナビゲーションシステムでは意図的に精度が下とされている。 

 

プレートの境界

(1) 互いに離れて拡大する境界 

2枚のプレートが離れていくと,その隙間は内部から上昇してきた物質によって補充される。この部分が海嶺である。

 上昇してきたマントル物質は圧力が低下し,融点が下がるためにマグマが発生する。マグマは海嶺の割れ目から流出して枕状溶岩を形成したり,貫入岩になって新たな海洋地殻を形成する。マグマを放出した残りのマントル物質は海洋地殻の下にかんらん岩質の岩層をつくり,海洋底の拡大と共に海嶺の両側に次第に厚くなりながら広がっていく。大西洋中央海嶺や東太平洋海嶺がこの境界にあたる。

 

(2) 押し合って沈み込む境界

  2つのプレートが近づくと,衝突して盛り上がったり,一方が他方の下に沈み込んだりする。衝突して盛り上がっているところが,アルプスやヒマラヤのような造山帯で,沈み込んでいるところが海溝である。海溝の内側には島弧が発達し,島弧−海溝系とよばれる。日本列島は島弧−海溝系にあたる

 

(3)すれ違う境界

 2つのプレートがすれ違うために横ずれ断層ができている。2つの海溝,あるいは2つの海嶺の間を結ぶ断層で,海嶺と海溝を結ぶ場合もある。この断層は,ふつうの横ずれ断層と違って,末端で急に海溝や海嶺に変化(transform)する。そのためこの断層はトランスフォーム断層とよばれている。

 アメリカ西海岸のサンアンドレアス断層は,トランスフォーム断層が陸地に現れたものである。

 どの境界でもしばしば地震が発生するので,震源分布からプレートの境界を見つけ出すことができる。

 

 

   発展の解説                           

地震波

 地球内部を伝わる地震波には,P波とS波がある。P波は地震計に最初に記録されるので第1番目の波,Primary wave(P)S波はその次に記録されるのでSecondary wave(S)である。

P波は初期微動を起こす波で,疎密が伝わる。波の進行方向と振動方向が同じ縦波である。S波は主要動を起こす波で,ねじれ(歪み)が伝わる。波の進行方向と振動方向が垂直な横波である。

 P波は固体・液体・気体すべての物質中を伝わるが,S波は固体中しか伝わらない。

 

地震波による地球の内部構造

 地球の内部構造は地震波の伝わり方から推測できる。大陸内の浅い地震の走時曲線(横軸に震央距離,縦軸に走時をとった図)を見ると,100km200km付近に,走時曲線の折れ曲がりが見られる。これは大陸では3060kmのところに地震波の速さが急増するところがあることを示している。これをモホロビチッチ不連続面(モホ不連続面)といい,地殻とマントルの境界面である。モホ不連続面より上は玄武岩質岩石,下はかんらん岩質岩石でできている。

  走時曲線の@は地殻の中を通って到達した直接波で,その傾きの逆数が地殻内での地震波速度を表す。また,Aはモホ不連続面で屈折してマントルを通過してきた地震波で,傾きの逆数はマントル内での地震波速度になる。

 

 全地球規模で観測して得られた走時曲線の特徴は,震央距離103143°くらいのところにP波の影が存在することである。これは深さ2900km付近に地震波速度が急に遅くなるところがあるためで,この不連続面をグーテンベルグ不連続面とよぶ。モホ不連続面とグーテンベルグ不連続面によって,地球は地殻・マントル・核の3つの層構造に分けられる。その後,P波の影の部分にもP波が到達することがわかった。これは核の内部にP波速度が急に増加するところがあって,その不連続面で反射して到達したP波であると考えられている。この不連続面(レーマン不連続面)によって,核は外核と内核に分けられている。

 一方,S波の走時曲線は,震央距離103°で切れて,それより遠くでは観測されない。これは外核が液体であるためである。内核は地震波速度が速いことから固体であると考えられている。

 

 

<参考リンク>

「地震被害0をめざして」のサイト(函館中部高校生徒による)

http://contest.thinkquest.jp/tqj2000/30295/

●「地球の科学」(東京都内にある私立中学・高校の地学教諭,山賀進によるウェブサイト)

http://www.s-yamaga.jp/nanimono/chikyu/chikyunokozo-02.htm

 

 

 

 

 








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