トップ理科総合B 改訂版1部 地球の誕生と地球の姿>第1章 地球の姿とその変化>第1節 地球の概観

1節 地球の概観

 

5 大陸地域と海洋地域の区分

大陸地域と海洋地域の相違点

大陸棚

地球の形

実習 海底地形の断面図の作成


 

 

   教科書の主な図の解説                           

5 大陸地域と海洋地域の区分

 陸地と海底を地球表面と考えたとき,地球表面の凹凸を大地形という。図5はこの大地形の高さ(標高)と深さ(水深)の頻度分布を示している。この図を見ると2つの極大があることがわかる。大陸地域の海抜0500mと海洋地域の水深45005000m(4500〜−5000m)の所である。これは,地球表面が2つの部分,すなわち大陸地域と海洋地域から成り立っていることを示している。その境界は,−1000〜−1500mのところにある極小付近となる。この極小より深いところが海洋地域で,浅いところが大陸地域になる(5では−1000mを境界としている)

 

   教科書の内容の解説                           

大陸地域と海洋地域の相違点

 大陸地域と海洋地域は次のような相違点がある。

@ 地殻の厚さやプレートの厚さが異なる。地殻は大陸地域では3050kmのところが多く,海洋地域では6kmくらいのところが多い。

A 大陸では侵食や堆積による地表の変化が著しいが,海洋では変化は非常に小さい。堆積速度は海洋地域では1000年に1mm程度である。

B 海洋地殻をつくる岩石の生成年代は1.5億年より若いが,大陸地殻にはそれより古いものもある。

C 花こう岩質の岩石は大陸にしか存在しない。

 

大陸棚

 海岸線と大陸斜面の頂部(大陸棚外縁 水深130m〜140)の間で,緩やかな傾斜の海底。大陸棚の外縁がはっきりしない場合は,水深200m以内の海底とする。

 約17000年前のウルム氷期最盛期の海面低下によって,大陸棚の概形がつくられたと考えられている。大陸棚は海洋面積の17%を占めている。 

 

   発展の解説                           

地球の形

 エラトステネスの測定

紀元前200年代は,ギリシャ時代に比べ,より世界的な時代に移行し,学術の中心はアテネからエジプトのアレキサンドリアに移っていった。エラトステネスは,そのアレキサンドリアの図書館の司書をしていた。彼は,夏至の日,南エジプトでは太陽が正午に天頂にくるが,アレキサンドリアでは同じ日時に太陽が天頂より南を通過することに注目した。そして,南エジプトのシエネ(北緯23.5°)とアレキサンドリア(北緯30°)の緯度差が7.2°であることを太陽高度の測定によって求めたのである。2地点の距離は旅行者の旅行日数の平均から5000スタジア(1スタジアは約185m)と求めて,地球の全周を計算した。

エラトステネスの測定は,次の2つの重要な仮説が元になっている。

@ 地球は球である。

A 太陽は十分遠く,太陽光は平行光線である。

 ニュートンの地球楕円体説

1670年代にフランスのリシェルはパリ(北緯49°)で正しく合わせた振り子時計をフランス領ギアナ(北緯5°)で使用すると振り子時計が遅れることを発見した。この遅れは,地球を完全な球と考えた場合の結果より大きく,ニュートンはこの現象を地球が赤道方向にふくれた回転楕円体であると考えることによって説明した。赤道半径が長く,かつ遠心力がはたらくため低緯度では重力が小さくなるためである。

 フランス測量隊による測量

フランスのカッシーニ父子は17世紀末から18世紀初めにかけて,緯度差l°の距離を測量によって求めた。それによると,パリの北方1°の距離は南方1°の距離より短かったのである。この結果は赤道半径が極半径より短いという結果になり,ニュートンの理論と矛盾する。このため,地球の形をめぐってイギリス学界とフランス学界の間で論争が起こった。

これに関係してフランスは赤道に近い南米と北極に近いラップランドに測量隊を派遣し,緯度差1°の距離を測定した。その結果,緯度差1°の距離は高緯度の方が低緯度より長いことがわかった。こうしてニュートンの理論が正しいことが証明された。

 

実習 海底地形の断面図の作成

<指導目標>

(1) 日本海溝の地形の特徴を,地形断面図を作成することで理解させる。

(2) 地形断面図の描き方を知らせる。

<準備>

 

<考察の留意点>

@ 海溝の日本側の斜面と太平洋側の斜面の傾斜を比べると日本列島側のほうが緩やかで,太平洋側の斜面のほうが急になっている。これは海溝付近が次のモデル図のようになっていると考えられるからである。

A AB間の距離は,300kmである。このことから垂直方向と水平方向の縮尺を計算してみると,垂直方向は1/22000,水平方向は,1/700万となり,両者の比率が大きく異なることがわかる。

これは垂直方向が320倍誇張されていることになる。そのため実際の海溝の地形はこの断面図のような急斜面ではない。誇張したほうが地形がわかりやすいために,あえてこのような縮尺になっている。同じ縮尺で作成すると下図のようになる。

 

<参考リンク>

●海上保安庁 「プレート境界域の精密海底地形(海洋測量)」

http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAIYO/sokuryo/sokuryo.html

 

 

 

 








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