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3節 エネルギーの変換と保存

 

自然界におけるエネルギーの移り変わり

太陽は,毎秒4.0×1026Jのばく大なエネルギーを発生し,これを四方八方に放射している。このエネルギーは,紫外線,可視光線,赤外線のすべてを含めて約1.4kW/m2の割合で,地球にふりそそいでいる。地球全体が受ける太陽からのエネルギーの割合は,約1.8×1014kWで,この約1/2は反射するなどして,残りの1/2が地表を暖めたり,海面から水を蒸発させたりすることに使われている。

蒸発した水は,やがて雨や雪となって地上に降りそそぎ,高地に降った水の位置エネルギーは,水力発電などの動力源として利用され,電気エネルギーに変換されている。

また,地球にふりそそぐ太陽のエネルギーの数千分の1は,植物の光合成に用いられ,デンプン等の化学エネルギーに変換されている。この太陽の光による光合成により,植物が繁茂し,それを食料として,人類や他の動物たちが生きている。また,数億年昔の生物が地中に埋もれてできたものが石炭や石油である。したがって,私たちが日常利用するエネルギーの源は,石油や石炭を含めて,ほとんどが現在または昔からの太陽のエネルギーであることがわかる。

私たちが日常利用するエネルギーについていえば,乗り物の運動エネルギーや工場での機械の動力は,電気エネルギーや燃料の化学エネルギーが変換されたもので,利用後はほとんど熱エネルギーになってしまう。また,ラジオやテレビの音のエネルギー,懐中電灯の光のエネルギーも,電池の化学エネルギーが変換されたもので,最後には空気中や物体に吸収されて熱エネルギーになる。

 

エネルギーの変換と保存

教科書p.13720に示した例は,これらのエネルギーの変換が直接的に行われるものだけを挙げてある。矢印のない部分については,説明しにくいところなので省略した。また,生徒にはあまりなじみのない現象もあるが,ここではその説明にはあまり深入りせず,エネルギー全般の相互変換とその保存に関心をもたせるように指導したい。

エネルギーの最も重要な性格は,それがいろいろに姿を変えながらも保存されるということであり,熱,電気,光,化学反応,核反応などのいろいろな自然現象の変化の中で,そのような不変な量を探し出せたというのが大切な点であろう。

機械・装置

エネルギー変換

効率()

白熱電灯

電気→光

12

蛍光灯

電気→光

24

太陽電池

光→電気

15

原子力発電

核→電気

30

燃料電池

化学→電気

60

小さい電気モーター

電気→力学的

63

家庭用石油暖房

化学→熱

85

ボイラー

化学→熱

88

乾電池

化学→電気

90

大きい電気モーター

電気→力学的

92

発電機

力学→電気

99

 

不可逆変化

本来摩擦を伴う力学現象を含めて,われわれの身の回りで起こっている自然現象は,すべて不可逆変化である。

たとえば,高温物体と低温物体とを接触させるとき,低温物体が熱エネルギーを失い,同じだけ高温物体が熱エネルギーをもらうということは,自然に起こらず,なんらかの仕事をしないかぎり起こらない(例としてクーラー)。また,ある高さから物体を落とした場合,エネルギーはつねに保存されているが,やがて物体が地面に達したとき,次に物体が自然に元の位置まで逆向きに戻っていくかというと,そういうことは起こらない。振り子の運動でさえ,実際には11回の振動は空気中では完全に可逆的ではない。これが自然の姿といえる。

このことを分子のレベルでみると,これらは分子の集団の秩序が乱れる向き,すなわち,より無秩序の向きに自然現象は進むことを意味している。

 

 

 

 

 








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