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3節 自己誘導と相互誘導

 

コイルを含む直流回路

磁界に蓄えられるエネルギー

誘導コイルの原理

 

 

コイルを含む直流回路

自己誘導は,回路における電流の変化をゆるやかにしようとするはたらきがあるから,電池を用いて回路に起電力を作用させても,電流はすぐには定常状態に達しない。電池の起電力をE0,回路の抵抗をR,自己インダクタンスをLとするとき,キルヒホッフの第2法則より,

 

この線型1階非斉次方程式の特解がであることは,実際に@式に代入して確かめることができる。斉次部分の解は,

 

両辺を積分して,ゆえに,II0e-Rt/L となる。したがって,@式の解は,

 

この式に初期条件t0のとき,I0を代入すれば,となる。よって,

 

これをグラフで示すと図のようになる。このグラフは,ブラウン管オシロスコープを利用して,示すことができる。

また,tt0において,スイッチを切ったときには,

 

となる。

 

磁界に蓄えられるエネルギー

自己インダクタンスのコイルが理想的(抵抗R0)の場合には,このコイルに電流iを流すために外部から加える電圧Vは,次式で与えられる。

 

したがって,最初i0から状態iIまでの間に外部から加えた仕事は,

 

となる。これがコイルに蓄えられた磁界のエネルギーとなる。

ところで,ソレノイドコイルの場合,その断面積をS,長さをl,単位長さあたりのコイルの巻数をnとすれば,Bμ0niΦBSであるから,

 

よって,コイル中に蓄えられた磁界のエネルギーE(W)は,

 

lSはソレノイドコイル中に磁界の存在している部分の体積であるから,磁界のもつエネルギー密度εは次のようになる。

 

誘導コイルの原理

誘導コイルは,絶縁鉄線を束ねてつくった鉄心に,数百回の1次コイルを巻き,これをとり巻いて,細い導線を数万〜数十万回巻いた2次コイルがあり,図のように,1次コイル側に数ボルトの電池をつなぎ,1次コイルの電流を断続器によって断続すると,2次コイルには高圧の交流電圧が誘導される。断続器と並列にコンデンサーを入れるのは,電流を切断するときの接点間のアーク放電をおさえて電流の切れをよくし,接点の損傷を防ぎ,また,接点間でのエネルギー損失を防ぐためである。接点が閉じて電流が流れ出すときと,接点が開いて電流が断たれるときとでは,誘導される起電力の向きは反対であるが,後者のほうが前者よりはるかに電流の時間的変化が大きいため,後者で定まる一方向きの高電圧がとり出され,ガイスラー管の電源などに利用される。

接点材料としては,融点の高い白金やタングステンが適当である。ねじで振動片の周期を調整して,電気振動の適当な位相で接点が閉じて,電源より電流が流れて振動エネルギーが補給されるようにする。2次コイルは分布容量をもっているので,1次コイルと2次コイルの共振周波数が等しいとき,すなわちLCL´C´の成立するときが,動作にもっとも都合がよい。

 

 

 

 








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