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探究活動2 弦を伝わる横波の速さの探究

 

ねらい

1.弦を伝わる横波の速さと波の振動数の関係を調べる。

2.弦を伝わる横波の速さと弦を張る力の関係を調べる。

3.弦を伝わる横波の速さと弦の線密度の関係を調べる。

実験の原理と装置

 図1のように,おもりで弦を張り,弦の一点Aに振動数fHz〕の微弱な振動を加える。振動数やAB間の長さを調節して定常波をつくり,弦を伝わる横波の速さを測定する。

  波源には,スピーカーの振動板にコーンをとり付けたものを使用する。たとえば,「弦定常波実験器SW-200N形(中村理科)」の波源は,振動数を50200 Hz の範囲で自由に変えることができる。

  定常波の振動数は,「DIGITAL  STOROBOSCOPE(ケニス)」のようなストロボスコープを利用して測定する。

 

実験1 波の速さV は,波の振動数fを大きくする とどのように変わるか。

方法  1本の弦について調べる。弦を張るおもりやAB間の長さは固定し,振動数だけを変えて,腹の個数が異なる定常波をAB間につくる。振動数の異なるそれぞれの定常波について,弦を伝わる横波の速さVを求める。

 

測定の例

   弦の線密度 ρ 5.71×10−4kg/m

  弦を張る力  S200 gW1.96 N 

   AB間の長さ AB0.793 m

腹の個数

振動数

節の間隔

波の速さ

m

fHz

m

Vm/s

1

51.0

0.565

57.6

2

77.0

0.378

58.2

3

108

0.267

57.7

4

148

0.198

58.6

5

184

0.158

58.1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

節の間隔の測定に大きな誤差が出やすい。節と思われる振幅の微小な範囲が広く,節の位置を判定しにくいためである。

 

 考察

 仮説1 波の振動数fを大きくしても,波の速さVは変わらない。

 波の速さVと振動数fの測定値をグラフで表すと,図のようになる。グラフより,仮説1は正しいことがわかる。 

2 波の伝わる速さと振動数

 

実験2 波の速さV は,弦を張る力Sを大きくするとどのように変わるか。

  1本の弦について調べる。振動数fは固定し,質量の異なる4種類のおもり(50g100g150g200g)を用いて,弦を張る力Sを変える。滑車の位置Bを調整して,弦ABに腹が1個の定常波をつくり,波の速さVを求める。

 

弦の線密度  ρ 2.86×10−4kg/m

AB間の長さ AB0.78 m

振動数    f58.9 Hz

定常波の腹の個数1

弦を張る力gW

50

100

150

200

節の間隔m

0.352

0.498

0.607

0.693

波の速さ m/s

41.5

58.6

71.5

81.6

 

 

測定の例

 

3 波の速さと弦を張る力

 

  定常波の節の位置が確定しないことに注意する。滑車Bを動かして行くと,ある位置で,B点を節とする定常波ができる。もう1つの節は,A点から少し離れたC点にできる。滑車Bをさらに3~4Cm動かしても,定常波は崩れず,定常波の振幅がいくらか変化する。このとき,節C点の位置も移動して,節と節の間の距離は,ほぼ一定に保たれるが,1つの値に確定しない。

 

 考察

  仮説2  弦を張る力Sを大きくすると,波の速さVは大きくなる。

  図2のグラフより,仮説2は正しいことがわかる。

 

実験3 波の速さV は,弦の線密度ρを大きくするとどのように変わるか。

 線密度の異なる弦を4〜5種類用意する。それぞれの弦について,滑車の位置を調整して定常波をつくり,波の速さを求める。このとき,弦を張るおもりは毎回同じものを用い,また,波の振動数fも毎回同じ大きさにする。

 

 測定の例

  弦を張る力50gW,振動数f60Hz

      

☆ 弦の線密度は,切り取った弦の長さとその質量を測定して求める。弦の種類によっては,弦を張る力によって弦の長さが変わるので注意を要する。

 

弦の線密度〔kg/m(×10−4)

3.0

5.1

8.3

10.8

16.0

節の間隔〔m

0.374

0.286

0.214

0.204

0.147

波の速さ  m/S

44.9

34.3

25.7

24.5

17.6

   

 

 考察

  仮説3 弦の単位長さあたりの質量ρを大きくすると,波の速さV は小さくなる。

  図3のグラフより,仮説3は正しいことがわかる。

 

4 波の伝わる速さと線密度

 

 

 








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