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探究活動3 運動の法則に関する研究

 

ねらい 運動の法則については,一通りの学習の後,問題演習によって理解を定着させることが多い。しかし,それだけでは運動の法則の有効性が十分実感できない生徒もいる。そこで,連結された2物体の運動や,斜面をすべり下りる物体の運動について実験を行い,運動の法則をもとに理論的に予測した加速度の値と,測定した結果とを比較してみる。

 また,動摩擦力など物体の速度によらない抵抗力がはたらくと仮定し,その力の大きさを実験結果から求めることをねらいとする。

 

<実験1> 糸で連結された2物体の運動

準備・方法 力学台車につけた糸が水平に張るように注意する。

台車の質量やおもりの質量については,それぞれ2通り程度変え,全部で4通り程度実験を行う。

処理 それぞれの実験結果について,記録テープを分析して,v-tグラフを描き,加速度を求める。この際,必要に応じてコンピュータ(表計算ソフト)を活用すれば,効率的に作業を進めることができる。

 一方,運動方程式から理論的に導いた加速度を求める数式に,台車の質量,おもりの質量,重力加速度の大きさをそれぞれ代入し,理論値を求める。

データ例 1.力学台車 500g, おもり 100g

 

 

 

                           

 

 

 

 

 

 

理論計算 a=1.63 m/s2

 実験結果 a'=1.06 m/s2

 力学台車に速度によらない抵抗力Fがはたらいたとすると,

   Fmg(mM)a'0.344 N

 

2.力学台車 500g, おもり 200g

 

 

 

 

 

 

 

理論計算 a=2.80 m/s2

 実験結果 a'=2.24 m/s2

 力学台車に速度によらない抵抗力Fがはたらいたとすると,

Fmg(mM)a'0.392 N

考察 実験で求めた加速度の大きさと,計算で求めた加速度の大きさを比較してみる。違いが大きい場合,その原因は何かを考察する。この時,台車の質量やおもりの質量がどのような場合に違いが大きいのか,加速度の大きさによってどのように違うのかなど,実験結果に基づいて理論的に考察することが大切である。

発展 運動する台車に,動摩擦力などの速度によらない抵抗力Fがはたらくとして運動方程式を立て,実験結果からFを求めるてみる。このFの大きさと,台車の質量やおもりの質量との関係について,さらに詳しく調べてみるのもよい。

 

<実験2> 斜面をすべり下りる物体の運動

準備・方法 力学台車をすべらせる斜面の角度を何通りか変えて実験を行う。斜面の角度の大きさが結果に大きく影響するので,ていねいに測定する。

処理 記録テープを分析して,v-tグラフを描き,加速度を求める。この際,必要に応じてコンピュータ(表計算ソフト)を活用する。

 一方,運動法的式をもとに求めた台車の加速度agsinq に斜面の角度qを代入し,計算により加速度を求める。

データ例

斜面の角度 8.4°

台車の質量 500g

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理論計算 a=1.43 m/s2

 実験結果 a'=1.14 m/s2

 力学台車に速度によらない抵抗力Fがはたらいたとすると,

   Fm(gsinθa')0. 146N

 

・斜面の角度 18.2°

台車の質量 500g

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理論計算 a=3.06 m/s2

 実験結果 a'=2.85 m/s2

 力学台車に速度によらない抵抗力Fがはたらいたとすると,

Fm(gsinθa')0. 105N

 

考察 実験で求めた加速度の大きさと,計算で求めた加速度の大きさを比較してみる。違いが大きい場合,その原因は何かを考察する。この時,斜面の角度がどのような場合に違いが大きいのか,なぜそうなるのかなど,実験結果に基づいて理論的に考察することが大切である。

発展 運動する台車に,動摩擦力などの速さによらない抵抗力Fがはたらくとして運動方程式を立て,実験結果からFを求めてみる。このFの大きさと,台車の質量や斜面の角度との関係について,さらに詳しく調べてみるのもよい。

 

 

 

 








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