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探究活動2 静電気モーターの製作

 

ねらい 静電気で回転するモーターを自作することにより,静電気のいろいろなはたらきを考えさせる。

 静電気モーター(フランクリンモーター)は,いろいろなタイプのものが考案され,発表されている。ここでは,それらの中から比較的簡単に作れるものを選んだ。

準備 「アルミテープ」は,裏に粘着シールが貼ってあるものが使いやすい。「フロア釘」は頭にくぼみがあり,これを軸受けとして活用する。したがって,普通の釘や+字を刻んだねじ釘ではうまくいかない。フィルムケースの縦より少し長いものを選ぶ。いずれも,DIY店で扱っている。

 フィルムケースは,底の中央にくぼみがあるタイプのものが,プッシュピンを突き刺す位置を決める上で使いやすい。

方法 アルミテープを切るには,まずカッティングマットなどに貼り付けた上で,5mm幅に印を付け,カッターで切っていくとよい。これをピンセットでフィルムケースの側面に貼っていく。間隔は適当でかまわない。

 フィルムケースの底面にプッシュピンを突き刺す際,中心を外すと偏心してうまく回らない。きっちりとセンターを出すこと。

 プッシュピンの先端をフロア釘のくぼみにのせる作業は手探りになるので,熟練が必要である。

結果 天気の良い日は,非常に快調に回転してくれる。しかし,日によっては,塩化ビニルパイプをいくらこすっても,うまく回ってくれないこともある。湿度が高い日はうまくいかない。そんなときは,あくせくせず,別の日に試す。

原理 ティッシュペーパーでこすった塩化ビニルパイプは,負に帯電している。これを電極Aに近づけ,反対側の電極Bを手でアースすると,塩化ビニルパイプと電極Bの間に強い電界が生じる。そのため,塩化ビニルパイプと電極A,および電極Aとアルミテープの間で放電が生じ,電子が塩化ビニルパイプから電極Aへ,そしてアルミテープへと移動する。アルミテープは負に帯電するので反発力を受け,フィルムケースが回転を始める。このとき,どちら向きに回転が始まるのかは偶然によるところが大きい。電極や塩化ビニルパイプの配置にもよると考えられるが,必ずしも一定しない。

 一方,電極Bとアルミテープの間でも,同様の放電が生じる。ここでは,電子はアルミテープから電極Bへと移動し,アルミテープは正に帯電して電極Bとの間に反発力が生じる。そのため,やはり回転力が生じる。

 このようなことが絶えず起こるため,フィルムケースはひとたび回転すれば,絶えずその方向に回転力を受け続け,回転が持続する。

 この現象は,マクロに見れば,電界によって電子が塩化ビニルパイプからアースに向かって流れ,その位置エネルギー差によって回転の運動エネルギーを得ていると見ることができる。

 

 

 

:静電気モーターの写真

 

 

 

 








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