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口絵 電気がつくる世界

 

ハイブリッドカー

電気自動車

燃料電池車

 


 

ハイブリッドカー

 エンジンは高速域で一定の回転をしている時には,効率的な燃費特性を発揮するが,低速域では比較的燃費が悪い。一方,電動モーターは最近のパワーエレクトロニクスの発達によって効率が向上しており,特にブレーキ時に発電し,バッテリーに充電する形でエネルギーを回収する機能(回生ブレーキ)はモーター駆動の大きな利点となっている。

そこで,両者の利点を併用した自動車がハイブリッドカーである。

 ハイブリッドカーとして一世を風靡したトヨタのプリウスやホンダのインサイトは,ガソリンエンジンと電動モーターの2つのパワーユニットを搭載している。加速時は,エンジンに加えてモーターで加速力をアシストし,高速域ではエンジンだけで駆動する。そしてブレーキ時には回生ブレーキを利用してバッテリーに充電し,次の加速に備えるのである。2つのシステムを搭載することは,一見冗長で非効率のように思えるが,ハイブリッドカーが画期的な燃費特性を実現したことは,電動モーターによる駆動技術が高効率であることを物語っている。

 次世代のハイブリッドカーとしては,駆動はすべてモーターで行い,エンジンは発電のみに使用するタイプのものが有望視されている。これだとエンジンは常に一定の回転を行っていればよいので,常にエンジンを最も効率がよい状態においておけるのである。

 

電気自動車

 ハイブリッドカーの効率化をさらに押し進めると,電気自動車に行き着く。バッテリーに充電するためのシステムを外部に求めれば,エンジンを自動車内部に搭載する必要がなくなり,効率的である。しかも排ガスを出さないので,環境にはよい。

 従来の電気自動車は,室内スペースの点でも走行性能の点でも,ガソリン車に比べて見劣りするものであったが,1996年頃から登場したトヨタRAVL  EV,ニッサンプレーリージョイEV,ホンダEVPLUSなどは第2世代の電気自動車と呼ばれ,従来のものは一線を画している。バッテリーには,鉛蓄電池に代わって,リチウムイオン充電池やニッケル水素充電池を用い,1回の充電での走行距離を200225kmに伸ばしている(鉛蓄電池で5070km)し,長寿命化によって電池の交換を不要にしている。また,小型で高性能な交流同期モーターを用いることで,加速・登坂性能はガソリン車に比べて遜色なく,最高速度も130km以上を誇っている。現段階での最大の難点は価格であり,特に電池の低価格化が課題となっている。今後新しい電池としてはリチウムポリマー電池が注目されている。

 

燃料電池車

 さらに次の目標としては,燃料電池自動車が期待されている。燃料電池とは,水の電気分解の逆反応を利用して,水素と酸素を直接化合して電気エネルギーを得るものである。燃料が持つエネルギーの40%程度を動力に利用できる上,廃棄物は水だけなので,ガソリン車に比べて大きな利点がある。燃料電池は,水素や酸素を供給する部分,電極,イオン交換膜から構成されている。燃料の水素は,ガス状の水素を金属等に吸着させて用いる他,天然ガスやメタノールから水素をとり出す方式が検討されている。

参考文献

原田了『自動車のメカニズム』日本実業出版社,2000

でんき自動車館(20043月閉館)

 

 

 

 








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