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3節 プレートの沈み込みと大陸の形成

 

プレートの沈み込みと島弧−海溝系

 プレートテクトニクスによると,造山帯はプレートの沈み込み帯,あるいはそれから発展し

2つのプレートの衝突地帯である。造山帯は,それをつくった沈み込むプレートとその上

にある沈み込まれたプレートとの関係などによって,次のような種類に分けられる。

(1) 島弧型造山帯;海のプレートが海のプレートの下に沈み込んでできた造山帯。その結

果,マリアナ弧のような島弧ができる。図XXIは東北日本弧の横断面であるが,典型的な

現在の造山帯と考えることができる。

 

教図19 東北地方の東西断面における震源分布(1977年の1年間M3)━━

岩石が比較的やわらかい部分では,塑性変形が起こってしまい,脆性破壊にともなう地震活動は起

こらない。この図から,地震波速度が速い岩石のかたい部分で地震が発生していることがわかる。地震

波速度の速い沈み込んだリソスフェアーが,深さ670km程度まで続き,その付近で周囲と同化している

ことで説明できる。なお,深発地震面は図のように二重になっている。

 

 (2) コルディレラ型造山帯;海洋プレートが既存の大陸の下へ沈み込んでできた造山

帯。中生代後期以降の北アメリカ西部のコルディレラ造山帯や南アメリカのアンデス造山

帯がこの例である。島弧型の場合よりも,造山帯に参加する地層や地殻が厚く,花こう岩な

どの深成岩の貫入や隆起運動が大規模である。重力によってすべり落ちてできる衝上断

層帯の発達もよい(XXII)

 

(3) 衝突型の造山帯;海のプレートの沈み込みにともなって,その上にあった島弧や大陸

が沈み込み帯に近づき,そのそばにあった別の島弧や大陸に衝突して生じた造山帯であ

る。大陸どうしが衝突して造山帯ができるという考えは,プレートテクトニクスが現れる前に

はなかった。プレートテクトニクスによると,海のプレートの海溝での沈み込みは,2つの大

(または島弧)を接近させるから,沈み込み帯は最後には2つの大陸の衝突する場所に

なる。大陸は軽いので海のプレートのように沈み込むことができないから,衝突すると互い

に押し合って,盛り上がって大きな山脈ができる。そればかりでなく,それまでの沈み込み

によってできていた内部の構造も大きく変化する。アルプス山脈はユーラシアプレートとア

フリカプレートが衝突してできたものであり,ヒマラヤ山脈はユーラシアプレートとインド大陸

(インド・オーストラリアプレートの一部)の衝突した場所である。次ページの図XXIIIは島弧

と大陸の,図XXIVは大陸と大陸の衝突の様子を示したものである。アパラチア造山帯

は,このタイプである。

 最近は,上述の(1)(2)のような沈み込みだけでできたと思われていた造山帯の内部

に,沈み込みにともなって遠くから運び込まれてきたと思われる大陸の断片が多数みつか

ってきたので,造山帯の多くは多かれ少なかれ衝突によってできてきた,という考えが有力

になってきている。後述のように,最近では日本列島もそのような考え方でみなおされてい

る。

 

 

 

 [海溝沿いの付加体]  海溝の大陸側斜面には,図XXVのような,逆断層の重なった

付加体とよばれる部分がある。付加体の堆積物は,陸源の砂泥中に海洋地殻起源の玄

武岩の枕状溶岩,チャート,石灰岩などのブロックが混在するメランジュとよばれるものも

含んでいる。このような付加体は,図XXVIのように,沈み込む海のプレートの表層が削剥

され,陸側に次々と付加されていって形成されたものと考えられる。

 四万十帯の地層はこのようにして形成されたと考えられているが,図XXVIIはその形成

の様子を,模式的に示したものである。

 

 

 

 

 

 

 

[2種類の島弧]  海のプレートが沈み込むところでは,島弧−海溝系が形成されるが,

日本海のような縁海が形成されている場合と,南アメリカの太平洋岸のように縁海がない場

合に大きく分けられる。南アメリカの太平洋岸にはアンデス山脈があるが,深発地震面や

活火山が存在し,縁海がない以外は島弧としての性質を完全に備えている。このようなも

のを島弧に対して陸弧とよぶことがある。

XXVIIIのように,プレートの沈み込む角度にはばらつきがあるが,マリアナ弧のように

急角度で沈み込んでいるプレートは,概して誕生してから時間がたち,十分に冷えた密度

の大きいプレートであり,チリのように低角度で沈み込んでいるプレートは,概して若く,相

対的に密度の小さいプレートである。

 

 

 








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