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第1節 シベリア高気圧と移動性高気圧

 

 

冬〜春

 

 

冬〜春

 一般に,日本列島は南北にのびる等圧線が何本も横切り,各地とも北西の季節風の吹くことが多い。気圧傾度も大きく,シベリア高気圧が本州南方海上にふくらんで広くはり出す。日本海側は雪,太平洋側は晴天となる。西高東低型がゆるんでくると,日本海側の海岸線に大雪の恐れがある。

 

[寒波襲来]  大陸の寒気が激しく,充分蓄積された状態になって日本に流れ込んでくると寒波襲来となる。日本付近を低気圧が一時的に通過し,発達しながらアリューシャン列島付近に達したとき,季節風は一段と激しくなる。このとき大陸から寒気が押し寄せ,気温が急に下がる寒波の現象が起こりやすい。

 

[冬の中休み]  西高東低型がゆるんで,日本海に低気圧が発生すると,日本海側は雪がやみ,晴れ間がのぞく。太平洋側は季節風がやみ,南風となり暖かくなる。これも一時的で低気圧が北日本に達するころには冬型にもどる。

 

[台湾坊主]  シベリア高気圧が日本の南東まではり出し,季節風が弱まると,その南側の南西諸島方面で風が南寄りとなり,台湾北方の東シナ海に低気圧が発生することがある。これを台湾坊主とよぶ。この低気圧は急速に発達することが多く,九州

方面では12時間後に,関東方面では24時間後に天気がくずれるとみてよい。台湾坊主が日本の南岸沿いに東北東に進むとき,日本の太平洋側に雪を降らせることがある。

 2月中旬になると等圧線の間隔も広がり,西高東低型による季節風も弱まり長続きしない。そして,低気圧・高気圧が周期的に日本付近を通過し,南風も吹きはじめ,しだいに春の天気に移っていく。春の天気は四日周期ともいわれ,天気の動きは速い。5月に入ると帯状高気圧が東西に連なったりしていわゆる「五月晴れ」の好天も現れる。

 

[春一番]  日本海で急速に発達する低気圧によってもたらされる強風を,春一番という。日本は暖域に入り,暖かく雨量も少ないが,強い南風が吹きまくり突風をともなう。春一番は早い年で2月下旬,普通は3月下旬に発生する。低気圧が日本海に入って発達するかどうかは,日本海西部に小低気圧が出たとき,朝鮮方面の気圧の低下が激しいこと,日本上空に南風が卓越することなどおよそ予想がつくが,発達が非常に速いので予想の遅れることもある。そのため,春一番を「立春から3月彼岸中日頃までの期間で日本海で発達した低気圧により最初に吹いた南寄りの強風」と暫定的に決めている。

 

[春 雷]  日本海で低気圧にともなう寒冷前線が発達すると,前線に発達した積乱雲によって雷が起こる。これを春雷とよんでいる。

 

[北高型の天気]  高気圧のはり出しや,通過が北緯40°より北の場合は,北高南低型の気圧配置となるので,本州南岸に前線が停滞する。梅雨と同じ状態になり,ぐずついた天気が3月中旬〜4月中旬にかけて見られることがある。これを「菜種梅雨」という。

 

[晩 霜]  移動性高気圧におおわれて穏かな日の夜は霜が降りて,農作物に被害を与えたりする。この晩霜は,春の終わりから初夏にかけて見られるもので,昔から「八十八夜の別れ霜」(5月5日頃)といわれ,この頃を境にして以後霜が降りることもなかろうというもの。

 

 

 

 








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