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第1節 先カンブリア時代

 

 

地球の誕生

原始大気の形成

マグマオーシャン

先カンブリア時代の区分

先カンブリア時代についての神話の崩壊

先カンブリア時代の岩石(最古の岩石)

先カンブリア時代の生物

発展 原核生物から真核生物へ

先カンブリア時代の自然環境

 

 

地球の誕生

 最近,地球・月・隕石中のウランやトリウムなどの放射性同位体の同位体比の研究から,いろいろな元素が生成されるまでには,地球誕生以前に約100億年の時間がかかったといわれるようになった。下図に示すように元素のできる頻度はしだいに減ってきているが,約46億年前に,数千万年の間に激しい元素合成反応が起こったといわれる。これは,太陽系スパイクといわれている。このときに,現在,地球上や隕石中に存在しないヨウ素129(129I)やアルミニウム26(26Al)など,半減期の短い元素ができたという。太陽系スパイクは,後で太陽系になる星間雲の比較的近くで起こった超新星の爆発によるといわれ,その衝撃で原始太陽系の星間雲が収縮を始め,中央の原始太陽や,地球を含む惑星の形成となったという説もある。これが約46億年前である。

元素合成反応の進行様式

 

原始太陽系中の星間雲の集団の1つが収縮して,原始地球が誕生した。星間雲は初めガス状であるが,しだいに数ミリメートル程度の粒子となり,さらにそれらの粒子が衝突したり合体したりして,原始地球や惑星になったといわれている。原始太陽系星雲から惑星ができるまでの時間は,力学的な計算によると,数百万年から数千万年程度の比較的短い間となる。

 

原始大気の形成

隕石にはH2OCSなどの揮発性物質が含まれている。微惑星が隕石物質と同じ組成だと考えると,これらの揮発成分は,原始地球への衝突によってガスとして解放される。この過程を衝突脱ガスとよぶ。たとえば,衝突速度が2km/s以上になるとH2Oの脱ガスが始まり,4km/s以上では完全に脱ガスしてしまう。微惑星中にはこのような揮発成分は0.1%以上含まれていたと考えられているので,脱ガスによってできる原始大気はかなり多い。未分化の原始地球からの脱ガスはこの過程で,原始地球が現在の直径の5分の1くらいになると脱ガスが起こりはじめる。

 

マグマオーシャン

微惑星の衝突によって,微惑星のもつ重力の位置エネルギーが解放されて地球は高温になり(下の参考参照),大気中のH2Oの温室効果のため,この熱が宇宙空間に放出されず,原始地球の表面の温度はしだいに上昇する。一説によると,原始地球の大きさが現在の直径の2分の1程度になると原始地球の表面がとけはじめ,マグマオーシャンが形成される。

 マグマオーシャンの深さは衝突する微惑星中のH2Oの量によって決まる。H2Oが多いと,原始大気中のH2Oも多くなり保温効果は強くなる。微惑星中のH2O0.1%であれば,マグマオーシャンの深さは数十kmであるが,2%あれば1000km以上にもなる。

 

参考地球の形成以来現在までに発生または消費したエネルギーの見積もり

1重力の位置のエネルギー

 現在の地球の密度分布が,現在の重力場でもつ位置のエネルギー

である。太陽系星雲中に散らばった粒子や隕石様物質から地球が凝縮したとすれば,現在の層構造ができるまでにこれだけのエネルギーが発生したわけである。

一方,地球成長の過程において,粒子が捕獲されるためには,成長過程の地球の半径をr,粒子の速度をυとすると,単位質量あたり

 

であれば捕獲されることになる。左辺は粒子の運動エネルギーを,右辺は成長過程の地球の位置のエネルギーを表す。したがって,地球が成長するとともに捕獲される粒子(微惑星)は増加する。この粒子(微惑星)の運動エネルギーが熱になるとすると,現在の地球がもつ位置のエネルギーと同程度のエネルギーが熱になったに違いない。かりに,式(1)のエネルギーと同程度のエネルギーが物質の内部エネルギー(熱)Uになったとする。U

で表されるので,比熱を0.25cal/gKとすると,温度上昇は4.2×104K(約4万K)になる。この推定は地球が断熱状態を続けていた場合であり,表面からの熱の発散があるので温度上昇はもっと小さい。しかし,46億年間の間に現在の温度まで冷えるのはむずかしい。おそらく凝集のプロセスの間に表面に落下した粒子から発生したエネルギーは放射の形で空間にもどってしまったに違いないが,上の見積もりから,初期の地球がかなり高温であったことは推測できる。

2マントルとコアの分離による熱

マントルとコアの分離が閉じた系の中で起こったこととすれば,それによって生じた重力のエネルギーは地球内部に蓄えられる。EfGM 2/rM:地球の全質量,f地球の内部構造を表すパラメーター)と書くと,一様均質の球の場合には,式(1)を積分しf3/50.600が得られる。

現在の地球についてfの値を計算してみると,

f=0.668

になる。この差Δf0.068はマントルとコアが分離したときの効果を示している(地殻は質量が小さいので,その分離による効果は無視できる)。Δf0.068によって,どのくらい位置のエネルギーが変化するかを計算してみると,

  ΔE=−2.5×1032J

となる。これによる断熱的な温度上昇は4.2×103Kになる。実際の温度上昇はコアの形成の速度と熱輸送の速度のかねあいで決まる。

 

[コアとマントルの分離] マグマオーシャンの形成は,未分化原始地球に大きな変化を与える。たとえば,金属鉄とケイ酸塩の密度差による分離が始まる。マグマオーシャンの底には金属鉄の層が形成されるが,それより下部の未分化物質とくらべると密度が大きく,不安定になり,鉄の層と内部の未分化層がしだいに入れかわってコアが形成されていく。このようなコア形成によって解放される位置のエネルギーはさらに地球内部の温度を上昇させ,マグマオーシャンは深さ1000km以上にもなったと考えられている。コアとマントルの分離と同時にマグマオーシャンが部分融解の状態であれば,固体のケイ酸塩と液体のケイ酸塩の密度差によって原始マントルの分化も進むと考えられる。

一説によると,コアとマントルの分離の時期に火星と同じくらいの大きさの原始惑星が地球に衝突し,マグマオーシャンの一部をはがして月が形成された。これが正しいとすると,この衝突によって一時期原始地球は,ほぼ全体が溶融するほどの深いマグマオーシャンができたと思われ,原始地球の分化も急速に行われただろう。

 また一方では,マグマオーシャンは存在しなかったと考える科学者もある。

 

先カンブリア時代の区分

 先カンブリア時代の研究が始まったのは,19世紀中頃からである。カナダの地質学者ローガン(W.E.Logan)が先駆的な研究をした。それによって,彼は,先カンブリア時代の岩層を古いほうからローレンシアン統とヒューロン統の2つに大区分した。前者は,主に変成岩からできているとしている。フィンランドでも,変成岩の研究者として名高いセーデルホルムがこの時代の岩石の研究での先駆者である。先カンブリア時代の研究が盛んになるにつれて,ローガンがカナダ盾状地について提案した先カンブリア時代の区分が,広く支持されることになった。つまり,この時代は太古代と原生代に分けるのがよいというのである。

太古代は,激しい火成作用が起こり,また,変成作用も広範囲に起こった時代であ

り,原生代はそれにくらべると静穏で,主に堆積作用が進行し,岩石は変成作用の影響をほとんど受けなかった時代であると考えられた。しかし,このような時代区分の根拠は,盾状地の層位論的研究である。ところが,この仕事は,化石が事実上発見されないのであるから,簡単には進められない。結局,何かのアイデアに基づいた上で岩石種の違いで岩体を区別したり対比したりして,時間的な前後関係にならべかえてみるほかしかたがなかった。

 以前から,変成岩,特に片麻岩などがあると,それは非常に古い時代にできたものだという先入観が多くの地質学者にあった。古い時代ほど火成作用や変成作用が激しいと,たいした根拠もなしに信じられていた。この場合もそうで,火成岩や変成岩が出てくると,それは古いほう,つまり太古代のものであると考え,変成作用を受けていない堆積岩があると,それは原生代のものだと考えた。この考えをもとにして,岩層を時代別に並べ変えた上で,太古代は変成作用や火成作用が激しい時代,原生代は静穏で古生代以後とよく似た時代と結論したのである。これは,完全な循環論である。この循環論を基礎として,話はさらに飛躍した。

 先カンブリア時代は,とにかく2つの時代に分けられただけで,単純な歴史をもつことにされてしまったから,地層の不整合は,みな同時期のものと判断されることが多かった。その結果,太古代の火成作用や変成作用は,古生代以後とは性格がまるで違っていて,広い盾状地全体を同時に巻き込むような変成作用や花こう岩体の形成作用が起きていたことになった。そして,これは,地球の初期状態に特有な現象と考えられた。

 

先カンブリア時代についての神話の崩壊

先カンブリア時代については,よくわからないことや,それにともなって起きた憶測などが入り乱れているので,多くの誤りがおかされていた。いわば地質学者における神話の時代であったといえる。しかし,最近の 20年あまりの間に,地球化学的・地球物理的な研究法の導入によって,先カンブリア時代に関するわれわれの認識は,ほとんど完全に変わってしまった。たとえば,先カンブリア時代には,それ以後の時代にくらべて,花こう岩体の形成が活発だったと信じられていた。現在でもそう思っている研究者は多いかもしれない。

 

地質時代に生成した花こう岩の量の見積もり

(クノッフによる)

しかし,実際には古生代以後にくらべて,たいした違いはない。むしろ中生代に大量の花こう岩体が形成されている。また,エンゲルとかティルトンという人が北アメリカ大陸の盾状地についての年齢測定データを整理したところによると,花こう岩体や変成帯は,以前想像していたように盾状地全域にわたって同じ時期に形成されたものではなく,帯状の比較的狭い地域で,数億年の間隔をおいて次々に形成されたものであることがわかった。それは,古生代以後の変成作用や花こう岩活動とたいして違わない。

 また,先カンブリア時代の変成岩や花こう岩は,後の時代にくらべると,削剥が進んだために,地下深い部分を示すだろうと考える人が多かった。しかし,この時代の変成岩には高い圧力の下で生じたと考えられる鉱物は,ほとんど見いだされない。逆に,紅柱石・きん青石などといった低い圧力の下でだけ安定な鉱物が一般的である。さらに,古い時代にも変成作用を受けていない堆積岩が普通に認められるし,新しい時代にも変成岩や花こう岩が見られる。こうして,先カンブリア時代の神話の数々は崩れ去った。

 

[原始海洋と原始地殻の起源] 原始地球の直径が現在の0.9倍くらいになる頃になると地球成長の速度が遅くなり,微惑星の衝突によって解放される位置エネルギーが少なくなる。このエネルギーが160/以下くらいになると,地表温度は急に下がり,やがて最初の地殻が形成された。最初の地殻は,現在広く支持されている考えは,玄武岩質地殻であるとされている。これはマグマオーシャンの冷却で分化が進み表面に玄武岩質の厚い地殻ができた。また原始大気中のHOが凝結し,原始海洋が形成される。原始海洋の形成に要する時間は非常に短く,1000年以内ともいわれている。そのときの海水温も100℃に近いところまで下がる。これは約40億年前と考えられていた。しかし,最近オーストラリアで発見された44億円前のジルコンには,すでに水が存在していたことを示しているため,原始海洋は地球ができてすぐに存在した可能性がある。

 

[大気の形成] 最近の研究によると,微惑星の衝突によって形成された初期の地球にはすでに水素やヘリウムの厚い大気が存在していたと考えられている。このような大気を一次大気と呼ぶ。その後以下のような地球内部から火山ガスによってもたらされた大気を二次大気と呼んでいる。一次大気はその後散逸し,二次大気に置き換わった。地球の初期段階に起きた全面的な溶融作用とともに,地球内部に閉じ込められていた揮発性のガスが地球表面に噴き出しただろう。しかし,その組成は現在の大気とかなり違っていたに相違ない。それは,金属鉄が,とけたケイ酸塩と共存していたためである。この状態ではガスの主成分は水素であり,そのほかに水や窒素や一酸化炭素が含まれていたに違いない。地球の冷却固化にともなって,これらのガスは反応し,やがてメタンガスがつくられた。この段階には,すでに鉄・ニッケルからなるコアが分離して,マントルはケイ酸塩鉱物を主とするものになっていた。

 地球上層部では,すでに金属鉄は存在しない。やがて,固化したマントルの中では,再び部分的な溶解が開始され,地殻物質が地表に運び出されはじめる。ガスもいっしょに噴き出す。このガスは,第1段階に形成された大気にくらべると,酸化の程度の高いものからできていなければならない。たぶん,それは活火山の噴気孔から噴き出すガスの組成とほとんど同じであったろう。つまり,水を主成分とし,ほかに炭酸ガス・窒素などが含まれていたと思われる。

 遊離酸素の大気中での蓄積の原因はおそらく光合成生物の発生――同化作用の始まり――が大気中の酸素の蓄積に大きな役割を果たすことになったと考えられている。それは,二酸化炭素と水が光合成によってクロロフィルと酸素を生産する過程によるものである。27億年以前,すでに光合成生物による光合成が始まっていたらしい。

 

[海洋の形成] マントル・コアの分離が終わり冷却固化した地球表面には,水蒸気の凝結によって原始的な海洋が生じた。地球上に海洋が生じたのは,実は偶然の結果かもしれない。原始大気中の二酸化炭素含量が,もし,ある程度以上に高かったら,そして火山ガスの中に水がずっと少なかったとしたら,二酸化炭素は保温器の役目を果たし,太陽放射によって与えられた熱を蓄積し,水蒸気の凝縮温度まで温度が降下しなかったかもしれない。この場合には,金星と同じように,高熱地獄が続き,生命の進化などは起こらなかったであろう。だが幸いにして,地球上には海洋が生まれた。海洋は地球にとって,いろいろの点で調節器の役割を果たすことになった。

 海洋が存在することになったので,大気の組成の定常性が保たれたのであろう。たとえば,火山作用の消長により,大気中の二酸化炭素の量に増減が起きても,海水中に余分の二酸化炭素が溶け込むか,または逆に海水中に溶けていた二酸化炭素が大気中に返されるかの過程を通じて,結局,大気中の二酸化炭素含量に著しい変化は生じなかったはずである。海洋は,また,いろいろな溶存元素の量に関しても調節機能を発揮したと考えられる。初期の海洋の化学組成は明瞭ではないにしても,岩石の風化物から海洋に流れ込む陸水を通じて供給されるさまざまな塩類,火山作用を通じて,直接に海洋につけ加えられる塩類が海水の組成を急速に変化させたのに違いない。しかし,それがある程度まで進行すると,それ以上著しい海洋組成の変化は起こらなかったはずである。余分の元素は堆積物の中に入り込むことによって,海水の組成はやはり定常性を保たれることになった。たとえば,多量に溶け込んだ二酸化炭素はカルシウムと結合して石灰岩として海底に沈殿する。あるいは,カリウムやマグネシウムを例にとると,それらは粘土鉱物の中に入り込んで,海底堆積物中に固定される。粘土鉱物というのは,雲母と同じように,2次元立体網目構造のケイ酸塩鉱物で,層状構造をもっている。層間に種々のイオンを吸着したり,容易にイオンの交換を行ったりする。堆積岩の中に普通に見いだされるイライトやクロライトという鉱物は,そのような元素の固定された生成物である。

 以上に述べたことは,先カンブリア時代以後現代に至るまで,海洋組成に重大な変化のなかったことを意味する。また,海洋水中に溶け込んだ元素は,つかの間の存在で,海は陸水から海底堆積物への元素の再配分を調節する役目を果たすものであった。海洋が定常性をそなえていたからこそ,その中で多くの試行錯誤がくり返され,ついには,物質代謝能力を有する物質系,すなわち生命体が誕生することになったのであろう。

 

先カンブリア時代の岩石(最古の岩石)

地殻表面で現在知られている最古の岩石は,カナダ北部に露出する40億年前の変成岩である。グリーンランド南部には約38億年前の礫岩や玄武岩質の枕状溶岩なども見られる。グリーンランドの西岸とその対岸のラブラドル(カナダ)に分布するアミトック(Amitsoq)片麻岩は,ルビジウム−ストロンチウム法による年代測定で36億〜38億年前という結果が出ている。この片麻岩の原岩は花こう閃緑岩で,測定された年代はこれが変成岩になった年代であるから,原岩は38億年より古いということになる。この片麻岩を囲んで26億〜28億年前の変成岩が分布している(下図)。これと同じくらい古い岩石は北アメリカのミネソタ州のモンティ・ヴィディオ(Monti vidio)片麻岩で,やはり38億年前頃を示している。

最古の岩石の分布

 

先カンブリア時代の生物

地球上で最初の動物がどんなものであったのか,化石の記録からははっきりしない。いまのところ単細胞動物(原生動物)の化石は先カンブリア時代からは知られていない。化石の上では,大形で複雑な体制をもった多細胞無脊椎動物の化石としては約6億年前の地層の中から発見されたものが世界最古のものである。これはオーストラリア中部のエディアカラ(Ediacara)丘陵(アデレードの北700km)で発見されたもので,エディアカラ動物群とよばれている。ここでは,少なくとも1500個体の化石が採集されており,クラゲやウミエラのなかまなど25種の動物が記載されている。これらの動物は1〜30cmの大きさで,浮遊性のもの,着生のもの,砂中にひそむ内生のものなど,多様な生活様式や食性をしていたようである。

 

発展 原核生物から真核生物へ

 地球の誕生は46億年前であり,最古の細胞の化石は35億年前のものである。生命はその間に出現したと考えられている。生命由来の炭素は38億年前のものが発見されている。原核生物の最古の証拠である。1977年に発見された高温環境でしか生息できない好熱菌などが原始地球環境で出現したのではないかと考えられた。古細菌は真正細菌とは細胞膜成分の違いで区別される。タンパク質合成の場であるリボソームのRNAの配列比較から,古細菌と真正細菌は別の系統であることが示された。その後,酵素のアミノ酸配列の分析によって,真正細菌と古細菌が約38億年前に分かれ,その後約24億年前に真核生物が分かれたことが示された。真核生物の動物と植物は1112億年前に分かれたものとみなされる。最近,共通祖先を遺伝子分析から求めて,先祖型タンパク質には最高99℃にも耐えられる耐熱性のあることが突きとめられ,超好熱細菌が地球生命の共通祖先とみなされている。

 

先カンブリア時代の自然環境

先カンブリア時代初期の大気中には酸素が少なく,その後のいろいろな作用によって大気中に酸素が増加していったということは,堆積岩中の記録からも読みとれる。たとえば,南アフリカの24億〜25億年前に堆積した石英質砂礫岩は自然金や閃ウラン鉱を含む河川堆積性の大鉱床であるが,この中には,これらの鉱物といっしょに運搬され堆積した黄鉄鉱が入っている。このように黄鉄鉱を含む同じ時代の砕せつ性の堆積岩はカナダやブラジルなどでも知られており,当時の河川水の中には酸素がほとんど含まれていなかったことを示している。堆積物の中に黄鉄鉱にかわって酸化鉄が現れるのは,25億年前頃からであり,この頃には大気中にかなりの量の酸素が蓄積されていたことを示している。

 

 

 

 

 








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