トップ新編化学I 改訂版>第4部 有機化合物>第3章 芳香族化合物C 窒素を含む芳香族化合物

C 窒素を含む芳香族化合物

 

アミン
 アンモニアの水素原子を炭化水素基で置換した化合物で,置換基の数により,第一級,第二級,第三級アミンという。第一級アミンはアミノ化合物,第二級アミンはイミノ化合物ともいう。
 脂肪族アミンの低位のものはアンモニア臭をもつ気体または液体で,ずっと高位のものは無臭の固体である。芳香族アミンは,一般に水に難溶の液体または固体で,特有の臭気がある。
 アミンは代表的な有機塩基で,アンモニアと性質がよく似ている。脂肪族アミンの塩基性はアンモニアよりやや強いが,芳香族アミンでは非常に弱い。

アニリン
 無色の液体。融点6°C,沸点185°C比重1.03で,有機溶媒に易溶だが水にはあまり溶けない。有毒である。弱い塩基性を示す。靴墨や香料,染料等の原料に用いられる。
 ニトロベンゼンを,スズまたは鉄と塩酸を加えて還元すると得られる。

   2C6H5NO23Sn14HCl ―→ 2C6H5NH3Cl3SnCl44H2O
   C6H5NH3ClNaOH ―→ C6H5NH2NaClH2O
 その他,ニトロベンゼンの水素による接触還元や,フェノールのアミノ化法等の工業的合成法もある。
   C6H5NO23H2 ―→ C6H5NH22H2O
   C6H5OHNH3 ―→ C6H5NH2H2O

 

 

ジアゾ化

 芳香族第一級アミンと亜硝酸の反応により,-N2をもつジアゾ化合物をつくる反応をいう。アミンを塩の形,または薄い酸に溶かして懸濁し,亜硝酸ナトリウムを加えて冷やしながら反応させるのが一般的な方法である。

   RNH2NaNO22H―→ RN2Na2H2O

 

カップリング(ジアゾカップリング)

 芳香族ジアゾニウム化合物R-N2X-が,ある種の化合物H-R¢と容易に反応してアゾ化合物R-N=N-R¢を生じるとき,この反応をカップリングまたはジアゾカップリングという。

   R-N2H-R―→ R-N=N-RH

 ジアゾ化合物をつくるアミンR-NH2をジアゾ成分,カップリングされる化合物H-Rをカップリング成分という。カップリング試薬には,芳香族アミン,芳香族オキシ化合物等がある。

 

アゾ化合物

 アゾ基-NN-をもつ化合物をいう。アゾ化合物はアゾベンゼンの誘導体が多い。アゾ基は芳香族と結合して強力な発色団となり,アゾ化合物は黄橙や赤等の色をもっている。普通の芳香族アゾ化合物は全て結晶である。-NH2-OH-SO3H等の置換基をもつアゾ化合物はアゾ染料として使われている。

メチルオレンジは,酸性ではHが付加して赤色となる。

メチルオレンジの発色はアゾ基によるものだが,酸性ではベンゼン環がキノン型構造をとり,そのため赤色となる。このように発色の原因となる基を発色団といい,発色団は特有の波長の光を吸収して,その補色が現れる。食品用のアゾ色素を以下に示す。

 

染料

 糸や布,皮等の繊維に対する親和性,即ち染着性のある色素が染料となる。繊維の分子と染料の分子が,分子間力等の化学結合によって結びつく。

 古代より植物や動物に含まれる色素が用いられており,そのような天然染料には独特の色調があり,その染色法は現在でも伝統工芸として伝えられている。

 今日では様々な染料が開発され,繊維以外への用途も広い。

 

 

 

 








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