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B 原子の構造
原子核と電子
►原子核
陽子と中性子からなる。原子の中心部にあり,原子自体の大きさに比べてきわめて
小さい。原子核の半径は,原子の質量数をAとすると,約1.5×
となる。
原子と原子核の大きさを,たとえば
で比べると次のようになる。
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したがって,
の原子核は
の原子に比べて,半径で約5万分の1,体
積で100兆分の1となり,きわめて小さい。
一方,原子の質量の大部分は,原子核に集中している。そこで,
の原子核
の密度を計算すると,次のようにきわめて大きな値となる。

原子力(核エネルギー)は,原子核が分裂したり融合したりするとき,原子核の質
量の一部を,エネルギーとして取り出すものである。
►陽子
正の電気素量をもち,その静止質量は,1.6726231×10−27kg,1.00727647u(1u
=
の質量の12分の1)で,電子の1836.15倍である。中性子とともに,原子核
の重要な構成要素である。また,原子核中の陽子数は,元素の種類を決め,その元
素の原子番号になる。
►中性子
電気的に中性なのでこの名が与えられている素粒子。その質量は陽子よりもわず
かに大きく,1.6749286×10−27kg,1.008664904uである。中性子の存在は,1920
年にラザフォードによって予想され,1932年チャドウィックによって確認された。
►電子
負の電気素量をもち,静止質量9.1093897×10−31kgの素粒子。電子が原子を離
れて自由な状態で初めて見いだされたのは,1859年,プリュッカーによって行わ
れた真空放電実験における陰極線の発見であった。しかし,陰極線の発見を直ちに
電子の発見と結びつけることは,少し飛躍がある。
電子がelectronという言葉で呼ばれるようになったのは,1891年,イギリスの
ストーニーによる。ストーニーは,新しい物理単位として,電気に最小の量(電気
素量)があることを唱え,この素量に対してelectronという名を与えたのであった。
電気素量の測定は,多数の人によって,いろいろの方法で試みられた。ミリカン
が1917年に行った油滴実験の測定結果が最も正しいとされていたが,現在では別
の方法で求められており,その値は次のようになる。
e=4.80321×10−10esu=1.60217733×10−19C
原子番号と質量数
►質量数
原子核中の核子(陽子と中性子)の数をいう。質量数は,原子質量単位で表した核種
の質量に近い値となる。
質量数と原子質量単位で表した原子の質量が異なるのは,核エネルギーによる質
量欠損の程度が核種により異なるためである。天然同位体で,原子の質量をその質
量数と比べたとき,その差が大きいものを示す。
少ない方の最大 116Sn 115.901606−116=−0.098394(u)
多い方の最大 238U 238.050786−238=+0.050786(u)
したがって,原子の質量(u)は,質量数±0.1の範囲にあり,質量数を原子の相
対質量とみなすことが十分できる。
►同位体
1906年にボルトウッドがイオニウムIoを発見したが,これはトリウムの同位体
に相当する。その後,1912年,トムソンが放射能をもたないネオンに![]()
と
の2種類があることを発見した。同位体は同位元素とも呼ばれていたが,
現在では同位体の名称に統一されている。同位体はほとんど化学的性質が同じであ
る。しかし,原子番号の小さい元素では,中性子の数の差が原子全体の質量に占め
る割合が大きく,化学的性質の差が多少大きくなる。
同位体を分離するには,質量の違いから生じる物理的性質の差を利用する。同位
体の分離に初めて成功したのはイギリスのアストンで,1913年のことである。彼
は,気体拡散法によって20Neと22Neとを分離した。235Uと238Uの大量分離にも,
気体拡散法が使われている。これは,ウランの気体化合物をつくり,多孔質の隔膜
中を拡散させ,化合物の質量の違いにより拡散速度がわずかに異なることを利用す
るものである。1回の操作で濃縮される量がきわめて少ないので,同じ操作を何度
も繰り返す必要がある。同位体の分離には,そのほか遠心分離法なども用いられて
いる。
自然界では,同一元素の同位体の存在比はほぼ一定である。このことが,長い間,
16O,17O,18Oの混合物である酸素の原子量を16として,原子量の基準にできた理
由であった。しかし,詳細に存在比を追究すると,高精度でも存在比が一定である
ケイ素のような元素と,産状によって存在比に差があるホウ素のような元素のある
ことがわかってきた。
|
1H〜43Tc元素の存在比(%) *印は,長寿命放射性同位体を示す |
||||||||||
|
11H |
99.985 |
|
3216S |
95.02 |
|
5426Fe |
5.8 |
|
7935Br |
50.69 |
|
2H |
0.015 |
|
33S |
0.75 |
56Fe |
91.72 |
81Br |
49.31 |
||
|
32He |
0.000138 |
34S |
4.21 |
57Fe |
2.2 |
7836Kr |
0.35 |
|||
|
4He |
99.999862 |
|
36S |
0.02 |
58Fe |
0.28 |
80Kr |
2.25 |
||
|
63Li |
7.5 |
3517Cl |
75.77 |
5927Co |
100 |
82Kr |
11.6 |
|||
|
7Li |
92.5 |
|
37Cl |
24.23 |
5828Ni |
68.27 |
83Kr |
11.5 |
||
|
94Be |
100 |
3618Ar |
0.337 |
60Ni |
26.10 |
84Kr |
57.0 |
|||
|
105B |
19.9 |
38Ar |
0.063 |
61Ni |
1.13 |
86Kr |
17.3 |
|||
|
11B |
80.1 |
|
40Ar |
99.600 |
|
62Ni |
3.59 |
8537Rb |
72.165 |
|
|
126C |
98.90 |
3919K |
93.2581 |
64Ni |
0.91 |
87Rb* |
27.835 |
|||
|
13C |
1.10 |
40K* |
0.0117 |
6329Cu |
69.17 |
8438Sr |
||||