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5節 金属イオンの分離・確認

 

A 金属イオンの反応

 

金属の反応性一覧 

元素名(記号)

気体に対する反応性

液体に対する反応性

亜鉛Zn

湿気:灰白酸化被膜。空気(高温):燃焼,ZnO

ハロゲン(湿)ZnX2

無機酸,酢酸,塩基aq [Zn(OH)4]2H2溶,H2Zn2

電解金属99.999%,めっき,電池,合金

アルミニウムAl

空気:(室温)酸化被膜,(高温)燃焼。

ハロゲン(高温):燃焼

(高温)H2

無機酸(除濃HNO3)H2

塩基aq[Al(OH)4]-H2

展延性,電気伝導性,軽合金

アンチモンSb

空気:()光沢失う,(加熱)Sb203

ハロゲン:SbX3

王水,濃硝酸,熱濃硫酸:溶

有毒

カドミウムCd

空気:(室温)表面酸化,(高温)CdO

ハロゲン(高温)CdX2

希硝酸,熱硫酸,HCl:溶。

強塩基aq:不溶

有毒

カリウムK

空気:(室温)酸化,(高温)KO2

H2(高温)KH

ハロゲン:KX

水:発火,H2

エタノール:エトキシド+H2

炎色:赤紫

カルシウムCa

空気:(室温)表面酸化,(高温)CaO

H2(高温)CaH2

ハロゲン:CaX2

水:溶,H2。酸:激しく反応,H2

エタノール:エトキシド+H2

炎色:橙

Au

Cl2Br2(高温)AuX3

王水:[AuCl4]-

KCN(02存在):溶

展延性金属中最大

Ag

03Ag202

硝酸,熱硫酸:溶

熱,電気伝導性金属中最大。

ハロゲン化物:写真

クロムCr

N2(高温):窒化物。

ハロゲン(高温)CrX3

HCl,希硫酸:溶,H2

濃硝酸,王水:不動態

Y価化合物有毒,耐食性(めっき)

ゲルマニウムGe

空気:(高温)GeO2Cl2GeCl4

熱硫酸,硝酸:溶,Ge(W)

強塩基aq:徐々に溶,[Ge(OH)6]2-

半導体

コバルトCo

空気:(400500)Co304

O2(1100)CoO

ハロゲン:CoX2

希硫酸,希硝酸,HCl:溶,Co2

塩基aq:不溶

強磁性,V価の安定錯化合物多数

水銀Hg

空気:(300400)HgOCl2Hg2Cl2

硝酸,濃硫酸,王水:溶

室温で液体,有毒,多くの金属とアマルガムを生成

スズSn

空気:(高温)SnO2

ハロゲン:激しく反応,SnX4

酸:溶,Sn2+H2

濃硝酸:SnO2(沈殿)

強塩基aq:溶,[Sn(OH)4]2-

めっき,合金

ストロンチウムSr

空気:(室温)灰白被膜,(高温)SrOSr3N2

H2:水素化物

水,希酸:激しく反応,H2

濃硝酸,濃硫酸:徐々に溶

炎色:紅

セシウムCs

空気:酸化,(高温)CsO2H2CsH

ハロゲン:CsX

水,酸,激しく反応,H2

エタノール:溶

炎色:青。低融点。最も陽性な元素

タングステンW

空気(300):粉末酸化,WO3

F2Cl2Br2(加熱)WX6

濃硝酸:WO3

王水:表面酸化。

HF+硝酸:溶

融点金属中最高,電球フィラメント

チタンTi

O2(610)TiO2

N2(800)TiN4Cl2(300)TiCl4

無機酸():溶,H2

硝酸:メタチタン酸。

HF:溶

耐食性(とくに海水中)

Fe

空気(室温,湿):酸化。

O2(高温)Fe2O3

Cl2FeCl3

濃硝酸:不動態

α:強磁性(769)

Cu

空気:(湿,CO2)緑青,(高温)CuO

F2(高温)CuF2

HCl(O2共存):溶。

硝酸,濃硫酸:溶。

NH3水: [Cu(NH3)4]2

熱,電気伝導性大

ナトリウムNa

空気:(室温)酸化,Na2O2H2(高温)NaH

ハロゲン:NaX

水:発火,H2

酸:激しく反応。

エタノール:エトキシド+H2

炎色:黄

Pb

空気:(室温)表面酸化。

ハロゲン:PbX2

熱硫酸,硝酸:溶。

酢酸(O2存在):溶。

軟らかい。蓄電池の電極。

ニッケルNi

空気:微粉末発火。Cl2Br2(高温)NiX2CONi(CO)4

HCl,硫酸,希硝酸:溶。

濃硝酸:不動態。塩基aq:不溶

強磁性。水素化触媒

白金Pt

Cl2(250)PtCl2

F2(高温)PtF4

H2:微粉吸蔵

王水:溶,[PtCl6]2

KCN水,熱濃硫酸,融解塩基:徐々に溶

水素吸蔵性大

バリウムBa

空気(高温)BaOH2N2(高温)BaH2Ba3N2

ハロゲン:BaX2

水:溶。酸:激しく反応,H2

濃硫酸,濃硝酸:徐々に溶

炎色:黄緑

ベリリウムBe

空気:(室温)酸化被膜,(高温)粉末燃焼,BeO

希酸,強塩基aq:溶,H2濃硝酸:不溶

有毒,]線管窓

マグネシウム Mg

空気:(室温)表面酸化,(高温)強い光,MgOCl2MgCl2

熱水,希酸:溶,H2

塩基aq:不溶

軽金属

マンガンMn

空気:表面酸化。O2CI2(高温)Mn3O4MnCl2

水:徐々に溶。

酸:溶,Mn2H2

安定酸化数多数

リチウムLi

空気:(200)燃焼,Li2OH2(高温)LiHN2(高温)Li3N

水:溶,H2。酸:激しく反応,H2

エタノール:エトキシド+H2

炎色:赤。最も軽い金属,固体金属中比熱最大

ルビジウムRb

空気(高温)RbO2

ハロゲン:RbX

水:激しく反応,H2

エタノール:エトキシド+H2

炎色:赤

 

B 金属イオンの分離・確認

参考 化学分析

物質中にどんな元素,イオン,あるいは化合物が含まれているかを調べる事を定性分析といい,また,含まれている量や割合がいくらかを調べる事を定量分析という。定性分析・定量分析を纏めて,広く化学分析という。

(1)   定性分析  定性分析の手段としては,化学反応を利用する方法を始めとして,各種の電気化学的,光学的,電磁気的方法が利用される。どの方法を利用するにしても,目的成分の含有程度は,多くの場合,大量・小量・微量・痕跡等,非常に漠然とした分類だが,推定可能な事が多い。
 無機物の定性分析は,水・酸・塩基等に溶かした上で,化学反応を利用して沈殿の生成,液色の変化,気体の発生等を観察して行う
(湿式法)。また,発光分光分析,蛍光]線分析等機器分析も有力である(乾式法)有機物の場合もほぼ無機物と同様だが,機器的方法として赤外線吸収・紫外線吸収・質量分析等が有効な手段となる。

(2)   定量分析  物質中の各成分の量的関係を知る事がいかに重要であるかは,18世紀の後半,天秤が使われるようになって初めて化学の発達が軌道にのったのを見ても明らかな事である。
 定量分析を行う為には,最初にその物質の質量なり,容積なりを正確に量り,次に目的の成分だけを取り出して同様に量り,この
2つの測定から目的成分の含有割合を計算する。したがって,定量分析のポイントは目的成分をいかにして取り出し,いかなる手段を用いて量るかにある。
 古典的な化学分析は,もっぱら化学反応に頼っていたが,機器分析は化学反応のみならず,利用できるものは何でも使うという考え方である。化学分析の機器化により,それまでに比べてより正確に,より迅速に,より微量まで分析しうるばかりでなく,化学的方法では不可能あるいは困難だった成分のものが,極めて容易に分析できる様になった。機器分析は分析の自動化を可能とし,組成の変化を絶えず指示して,化学工場において工程の監視あるいは管理の役割を果たすに至っている。機器的な方法について主なものを列挙する。

@ 光吸収分析  A 炎光分析  B 電気分析

C ポーラログラフィー  D 放射化分析  E 発光分光分析

F 赤外線吸収分析  G 質量分析  H ガスクロマトグラフィー

I 高速液体クロマトグラフィー

 

参考 炎色反応

アルカリ金属,アルカリ土類金属等の塩類を無色の炎の中に入れて強熱すると,炎が各金属に特有の色を示す。これを炎色反応といい,炎色からそこに含まれる金属元素の種類を簡便に識別・確認できる。この色は,揮発性の金属原子が励起されて発する輝線スペクトルのうち,ある波長の光が特に強い為に生じるものである。

 原子の輝線スペクトルは,原子中の電子が熱エネルギーを受け取って,高いエネルギー準位のものになり,そこから低い別のエネルギー準位に移るとき,そのエネルギー差が光となって放出される事で生じる。

 

参考実験 金属イオンの定性分析

【目的】金属イオンの分離と確認を,実験を通して学習する。

【準備】0.5mol/L水溶液(AgPb2Cu2Fe3Ba2の硝酸塩)

2mol/L塩酸,2mol/Lアンモニア水,2mol/L硝酸,0.1mol/L K2CrO4水溶液,

0.1mol/LNa2CO3水溶液,FeSK3[Fe(CN)6]

操作と結果

 

 

 








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