トップ>化学II>巻末付録>付録13 緩衝液と酸塩基指示薬
►酸塩基指示薬
pH指示薬,中和の指示薬,水素イオン濃度指示薬などとも呼ばれる。主なも
のの変色域とつくり方を次に示した。
(1) チモールブルー(略号TB):赤1.2〜2.8黄8.0〜9.6青;0.10gを95%エタノール20cm3
に溶かし,水で100cm3とする。
(2) ブロモフェノールブルー(略号BPB):黄3.0〜4.6青紫;0.01gを95%エタノール20cm3
に溶かし,水で100cm3とする。
(3) メチルオレンジ(略号MO):赤3.1〜4.4橙黄;0.10gを水に溶かし,100cm3にする。
(4) メチルレッド(略号MR):赤4.2〜6.2黄;0.20gを95%エタノール90cm3に溶かし,水
で100cm3にする。
(5) リトマス:赤4.5〜8.3青;0.50gを95%エタノール90cm3に溶かし,水で
100cm3にする。
(6) ブロモチモールブルー(略号BTB):黄6.0〜7.6青;0.10gを95%エタノール20cm3に溶
かし,水で100cm3にする。
(7) フェノールレッド(略号PR):黄6.8〜8.4赤;0.10gを95%エタノール20cm3に溶かし,
水で100cm3にする。
(8) クレゾールレッド(略号CR):赤0.2〜1.8黄7.0〜8.8赤;0.10gを95%エタノール20cm3
に溶かし,水で100cm3にする。
(9)フェノールフタレイン(略号PP):無色8.2〜9.8赤;0.10gを95%エタノール90cm3
に溶かし,水で100cm3にする。
(10) アリザリンエローGG(略号AY):黄10.0〜12.1赤;0.10gを水に溶かして,100cm3に
する。
指示薬の呈色は,pHによりその構造が変化するためと考えられている。これは
指示薬自身が弱酸や弱塩基であり,pHによって分子からイオンへ変化し,分子と
イオンの濃度比で色相が変わるためと説明されている。たとえば,指示薬を弱酸
HAとすると,その電離は次式のように行われる。
HA
H++A-
したがって,指示薬を酸に加えたときは,電離が抑制されてほぼ全部が分子HAと
なり,分子の示す色(分子色)を呈することになる。これに塩基を加えていくと,ま
ず酸が中和され,その後指示薬が中和されてA-が増加するので,イオンの示す色
(イオン色)を呈することになる。
これを電離平衡で説明すると,平衡定数は次式で表される。
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したがって,分子色とイオン色がほぼ等しくなるときの[H+]が変色域の中央にく
ると考えられ,[H+]が変化するにつれて分子色とイオン色の比も変化し,その比
がある程度大きくなると肉眼でも色相の変化として認められるようになる。
チモールブルーのように二段階に変色域をもつものは,構造が二段階で変化する
ためと考えられる。フェノールフタレインは通常変色域を1つしか示さないが,こ
れも二段階に変色し、pHが約12以上になると再び無色となる。