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第4節 食品の保存
◆食品添加物
食品添加物は,意図的に食品に添加される化学物質であり,次のようなものが
ある。
(1) 保存料 食品包装にのっている添加物の安息香酸ナトリウム,プロピオン酸
ナトリウムは,カビ,細菌,菌類,酵母の作用から植物を保護する防腐剤である。
安息香酸ナトリウムは,パンやその他の焼いた食品によく用いられ,プロピオン
酸ナトリウムやプロピオン酸カルシウムは果実製品とマーガリンによく使われる。

食品保存に用いられる他の化学物質として酸化防止剤がある。BHTとBHAは
その例である。油脂類に含まれる不飽和脂肪酸は参加を受けやすく,それととも
に栄養価は低下し,ついには毒性を示すようになる。酸化防止剤は,参加の際生
ずるペルオキシラジカルに作用して参加の連鎖反応を停止させて,酸素と食品の
反応を遅くする。BHAはC(CH3) 3基の位置が違う二つの混合物である。

なお,天然に存在する酸化防止剤としては,トコフェロール,NDGA(ノルジヒド
ログアイアレチン酸),没食子(ぼっしょくし)酸エステルなどがある。
(2) 着色料と発色剤 着色料と発色剤はいずれも食品を色彩的に美しく,魅力
的にするための添加物である。前者は食品に色を付ける色素であり,石炭タール
を原料として合成された合成着色料(食用タール色素)と生物や鉱物由来の天然着
色料がある。合成着色料は,近年,人体に対する有害性があるという理由で大幅
な規制が行われ,現在使用認可があるのは,11種類のタール色素である。それら
は,食用赤色2号,3号,102号,104号,105号,106号,黄色4号,5号,緑色
3号,青色1号,2号である。最近は安全性の面から,β−カロチン,クロシン,
カルミン酸,ラッカイン酸,クルクミン酸,ベタニン,紅コウジ菌色素,リボフ
ラビンなどの天然着色料が見直されている。
発色剤は食品に含まれる色素と結合して食品本来の色を安定に保つために使用
する添加物である。ハムやソーセージなどの肉類が変色しないのは,亜硝酸塩が
加えられてあるからである。亜硝酸塩が肉中の乳酸と反応して亜硝酸を生じ,さ
らに亜硝酸塩が色素タンパク質と結合し,変色しない肉色を保っている。しかし,
発色剤の亜硝酸塩と魚肉タンパク質が分解して生じた第二アミンとが胃の中で一
緒になると,発ガン性のニトロソアミンに変化する可能性がある。第二アミンは
特にイカやタコの加工品とか焼き魚などに多く含まれる。現在,研究の方向は,
亜硝酸塩の代わりになるものの探求に向けられている。

(3) 人工調味料 旨味料として使用されているグルタミン酸一ナトリウムは,そ
れ自体は味に寄与せずに,他の成分の味をひき出す役割をする。その働きは科学
的に解明されていないが,アミノ酸の塩であるから,摂取しても危険はあまり無
いと考えられる。実際,長期に使用しても有害な結果はほとんどみられていない。

人工甘味料として用いられているアスパルテームは,酸性アミノ酸のL-アスパラ
ギン酸と芳香族アミノ酸のL-フェニルアラニンとが結合したα-L-アスパルチル-L
フェニルアラニンメチルのことで,砂糖の約200倍の甘味をもつアミノ酸系合成
甘味料である。清涼飲料水や卓上の甘味料として使用されている。

(4) 食品ゲル化剤と結着剤 食品ゲル化剤とは,食品に適度の粘ちょう性を与
え,触感を通して味覚を楽しませる添加物のことである。カルボキシメチルセル
ロース(CMC)のナトリウム塩が市販されている。生理的には全く無害であるので,
アイスクリーム,麺類,ソース,ジャム,ケチャップ,佃煮,パン菓子などに利
用されている。結着剤は肉製品や乳製品の粘結力を増強するために用いる添加物
である。通常,ポリリン酸塩が使用され,代表的なものはトリリン酸ナトリウム
である。かまぼこなど水産練り製品にポリリン酸塩を添加すると,タンパク質の
保水性や弾力性を増してこしを強くし歯応えをよくする。
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