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3節 原子の結びつき

 

A イオンの生成とイオン結合

電子配置とイオン

原子やイオンのモデル

教科書に示したような原子やイオンのモデルを,ボーアの原子模型という。原

子核と電子の間には,距離の2乗に反比例する静電気力が働いている。これは,

太陽と惑星の間に働く引力の関係と同じである。したがって,惑星と同様に電子

も原子核の周りを回っていると考えられる。古典力学の考え方では,電子がスペ

クトルに示す光を放射するとエネルギーを失って速度が遅くなり,やがて電子と

原子核が結合して,安定な原子は存在できなくなる。この矛盾を解決するため,

ボーアは次のように考えた。たとえば,水素原子は,陽子1個と電子1個か

らできているが,この電子はある特別の軌道上しか運行せず,それ以外の軌道は

とれないと考えた。原子核に最も近い軌道の半径をrとすると,その外側にある

軌道の半径は,22r32 r42 r……であるとした。電子はこれらの軌道間を移り

かわり,そのとき固有のスペクトルを示すと考え,スペクトルを定量的に説明し

た。彼が計算で求めた水素のスペクトルの波長は,実測値と完全に一致した。こ

の考え方は,その後の量子力学の発達によってさらに発展した。

陽イオンの生成

イオンの生成とエネルギー

イオン化エネルギー

気体状態の単原子または分子の基底状態,すなわち最もエネルギーの低い状態か

ら,電子1個を無限大の距離に引き離して陽イオンにするとき必要なエネルギー

を,原子または分子のイオン化エネルギーという。
このエネルギーを電子ボルト単位(eV)で示して,イオン化ポテンシャルと呼ぶ
こともある。また,これを第一イオン化エネルギーといい,さらに電子を次々に引
き離していくとき必要なエネルギーを,第二イオン化エネルギー,第三イオン化エ
ネルギー,……とよぶ。第一イオン化エネルギーは,元素の周期律を考察するよい
例である。

            イオン化エネルギー(eV) 1eV23.06036kcal/mol96.48455kJ/mol
        
IIIは,第一イオン化エネルギー,第二イオン化エネルギー・・・を示す。

原子

番号

元素

I

II

III

 

原子

番号

元素

I

II

III

 

1

H

13.598

 

 

 

36

Kr

13.999

24.359

36.95

2

He

24.587

54.416

 

 

37

Rb

4.177

27.28

40

3

Li

5.392

75.638

122.451

 

38

Sr

5.695

11.030

43.6

4

Be

9.322

18.211

153.893

 

39

Y

6.38

12.24

20.52

5

B

8.298

25.154

37.930

 

40

Zr

6.84

13.13

22.99

6

C

11.260

24.383

47.887

 

41

Nb

6.88

14.32

25.04

7

N

14.534

29.601

47.448

 

42

Mo

7.099

16.15

27.16

8

0

13.618

35.116

54.934

 

43

Tc

7.28

15.26

29.54

9

F

17.422

34.970

62.707

 

44

Ru

7.37

16.76

28.47

10

Ne

21.564

40.962

63.45

 

45

Rh

7.46

18.08

31.06

11

Na

5.139

47.286

71.64

 

46

Pd

8.34

19.43

32.93

12

Mg

7.646

15.035

80.143

 

47

Ag

7.576

21.49

34.83

13

Al

5.986

18.828

28.447

 

48

Cd

8.993

16.908

37.48

14

Si

8.152

16.345