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B 環境の変化と植物の生活

 

この第2章の「A 成長の調節」では,植物体の成長の関わる3種類のホルモン(オーキシン・ジベレリン・エチレン)の働きについてのみ扱っている。植物には.これら3つのホルモン以外に,サイトカイニン・アブシシン酸・フロリゲン(存在は未確認)などの植物ホルモンが知られ,また,成長に関わるホルモンにも,それ以外の作用が知られている。教科書では,これらをすべて羅列的に扱うことはしないで,教科書p.161の図22に植物の一年間の生活史の各段階に各種のホルモンがどのように関係しているかについて簡略化してまとめたが,それらの働きをホルモンの種類別に整理すると下表のようになる。

 

 

発芽

分化

成長

開花

結実

落葉・落果

休眠

オーキシン

 

 

 

ジベレリン

 

 

 

エチレン

 

 

 

(成熟)

 

 

サイトカイニン

 

*

 

 

アブシシン酸

 

 

 

 

 

フロリゲン()

 

 

 

 

 

 

(凡例) +:促進的に働く,−:抑制的に働く,空欄:無関係,+*:細胞分裂を促進

 

オーキシン以外の各種類のホルモンの働きをまとめると,次のようになる。

 

◆ジベレリン

@伸長成長を促進:オーキシンとともに作用,わい性植物の伸長促進に効果。

A単為結果と果実の肥大成長の促進:この作用によって種なしブドウをつくる

B休眠の覚醒と発芽促進:ジャガイモの塊茎の発芽や休眠中の種子の発芽を促進

C長日植物の開花促進:ホウレンソウやキャベツなどの長日植物の花芽形成を促進

 

◆サイトカイニン

@細胞分裂の促進:植物の組織培養時にカルスの形成を促進。

A植物の分化を調節:オーキシンとの量的関係で未分化細胞の茎や根への分化を決定。

B葉の老化を防止

 

◆アブシシン酸

@落葉・落果の促進:離層形成を促進して,落葉や落果を起こさせる。

A休眠の促進:樹木の芽や種子の休眠を促進する。

B成長の抑制や老化の促進

 

◆エチレン

@果実の成熟を促進:未熟な果実を成熟させる作用がある。

A伸長成長の抑制

B葉の老化を促進

 

◆フロリゲン

@花芽形成の促進(オナモミを用いた実験などからその存在が考えられたが,いまだ化学物質としての単利には成功しておらず,存在を疑問視する人も多い)

 

 

 

 








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