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B 腎臓の働き

 

◆腎臓における尿の生成

ヒトの腎臓には100万以上のネフロン(Nephron;腎単位)があり,血液の1/4がここを通って不要物がこしとられる。不要物とはいえ,代謝の結果生じる老廃物(尿素,尿酸,SO42)の他,pH・血液・浸透圧を一定に保つために排除されるものも含まれる。つまり本来必要な物質でもバランスを保つ上で過剰に存在するもの(グルコース・NaClなど)は排出される。尿はボーマン嚢中にろ過された原尿が細尿管(腎細管)を流れる間に,“必要な”物質が血管中に再吸収されて(ATPを消費しての能動輸送)生じる。血しょう中に含まれている物質の濃度と,ボーマン嚢中にろ過された物質の濃度はタンパク質を除けばほぼ等しい。したがってマルピーギ小体(糸球体+ボーマン嚢)ではタンパク質以外の低分子化合物はほぼ無選択的にろ過されていると考えてよい。血しょう中に存在しない物質が尿中に見られる場合があるが,これは細尿管壁からの分泌作用による。原尿中の水の約99%が再吸収され,いったんろ過されたグルコース・アルブミン・脂肪の100%が再吸収される。Naが再吸収される割合は水とほぼ同じくらいである。尿素も全て排出されるのではなく,一部は再吸収されていることがわかる。これは尿素が細胞膜を透過しやすいことと関係があると考えられている。

 ヒトの尿中の尿素は体内で分解されたタンパク質に由来し,肝臓でオルニチンサイクルを経て合成される。尿酸はおもに核酸の塩基の分解産物であり,クレアチニンはクレアチンに由来する。

 細尿管を出た尿は腎うに集められ,尿管(輸尿管)・ぼうこうを経て排出される。

 

 

 








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