トップ新編生物I 改訂版>第4部 動物の受容と反応>第1章 刺激の受容と反応A 神経細胞

A 神経細胞

 

◆神経細胞 (ニューロン)

きょく皮動物などの神経網から,中枢神経系をもつ動物の脳に至るまで,神経系を構成する単位は神経細胞(ニューロン)である。神経細胞は複雑に分岐する突起(樹状突起)をもち核の存在する細胞体(神経細胞体),これより1本長く伸長する軸索(神経突起),その軸索の先端が分岐して次の神経細胞の樹状突起に付着する部分につくるシナプスからなる。神経細胞には二つの機能がある。第1は,活動電位を発生して情報を電気信号に変えて伝導する機能であり,第2は,軸索の先端に達した活動電位,すなわち信号パルスを次の神経細胞に伝えるシナプス伝達の機能である。この二つの機能を持った神経細胞を複雑に組み合わせると神経回路になる。この神経回路の複合体が神経系である。神経系は動物によって著しい発達の違いがあるが,構成単位としての神経細胞には,動物間での差がない。このため,イカなどの無脊椎動物の研究を通してヒトの脳の働きの解析ができるわけである。

 

髄鞘

軸索(神経突起)には,外側に髄鞘(myelin sheeth)をもつものがある。これが有髄神経で,脊椎動物の大部分の神経はこれに属する。しかし,幼動物では髄鞘が未発達なものが多い。髄鞘は,シュワン細胞(脳でのグリア細胞と相同)の細胞膜がぐるぐると軸索に巻き付き,細胞質の大部分を失って電気的に絶縁性のある被覆となったものと考えてよい。しかし,1個のシュワン細胞の大きさは,普通の細胞程度なので軸索にからみついて伸長しても限度がある。その切れ目が,有髄神経に約2mm間隔で存在しているランビエの絞輪である。興奮が軸索を伝わるとき,電位の変化は絞輪の部分だけで起こるので,興奮の伝導速度は大になる。

 

 

 








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