トップ新編生物I 改訂版>第2部 生殖と発生>第2章 発生の過程C カエルの発生

C カエルの発生

 

◆カエルの発生

@ 2細胞から4細胞期になるときの分裂,つまり,2回目の細胞質分裂は,どちらの方向に起こるかに留意させる。3回目の分裂とどちらが先に起こるかについて,誤解している生徒も少なくない。

A カエルの胞胚は,ウニと違って多層で,動物極側で23層,植物極側で78層の細胞からなる。

B 胞胚のごく初期の胚を桑実胚というが,時期の名称としては桑実胚期とよばれる。なお,2細胞期,4細胞期,……のものは,2細胞胚,4細胞胚,……といった用語は一般に用いられず,桑実胚期になってから胚という言葉が用いられるようである。胞胚・原腸胚を時期の名称でいうときは,胞胚期・原腸胚期という。

C 卵の赤道よりやや植物極側によった部分から陥入が起こり,原腸胚となる。外胚葉・内胚葉の区別ができ,さらに原腸に裏打ちされた背壁に中胚葉が分化する。これらの用語とともに,原腸・原口についてもきちんと理解させておく。

D 原腸胚の次は,外胚葉の部分が内部に落ちこみ,神経管を形成する神経胚の時期となる。

E 神経胚の初期には,神経板ができ,その両側のひだ(神経褶)がしだいに盛り上がり,両側より神経溝を中にして接近する。やがてこれが接してつながり,神経管を遊離する。神経管は後に脳・脊髄の中枢神経になる。

F 神経管の形成と平行して,原腸胚の中胚葉から,管状の脊索が遊離する。脊索はやがて体節と側板に分離する。原索動物のなかには,脊索が終生残って中軸支持器官として働くものがあるが,脊つい動物では胚期および幼生期に中軸支持器官としての役目を果たすだけで,軟骨性または骨性のつい骨におきかわり,脊柱内に痕跡的に存在するのみである。

G それに次いで,原腸胚の原腸を左右からとり囲むように内胚葉が盛り上がり,脊索の下側で接着して腸管ができる。腸管は,後に消化管をつくる。

H 神経管などが完成する時期から,胚は前後に伸長し始め,体の後端に尾が形成されて尾芽胚となる。さらに発生が進んで,おたまじゃくし(幼生)となり,変態して成体となる。

 

◆陥入と原口の位置

胞胚から原腸胚が形成されるとき,陥入が起こる。この陥入によって外胚葉と内胚葉ができる。陥入のしかたには3つの型がある。ウニやナメクジウオのように,卵黄が少ない卵では,植物極側の細胞の分裂が盛んになるために陥入が起こる。これに反して,クシクラゲや環形動物・軟体動物では,植物極側の細胞に卵黄が多量に含まれているから,ここでは分裂があまり行われない。したがって,動物極側から伸びてきた細胞層が,植物極側の部分を外から包むような形になって陥入が起こる。両生類などでは,両者の形式を組み合わせたもので,そのような形式の陥入のしかたがもっとも多く見られる。

 陥入の入口にあたる部分を原口という。文字からみれば,口の起源であるが,原口から必ずしも口ができるとは限らない。

 動物の系統樹(生物で扱う)を見てみると,途中から幹が大きく2つに分かれる。左側の枝は旧口動物(原口動物),右側の枝は新口動物(後口動物)である。ウニ(きょく皮動物)やカエル(両生類)は新口動物であり,原口は肛門となり,陥入の一番奥のほうに口が開口する。それに対して旧口動物では,原口は文字通り口となり,肛門は反対側にできる。

 

 

 








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