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B いろいろな細胞

 

さまざまな細胞

教科書の図で示されるように,細胞の形と大きさは多様である。原生動物のように1個の細胞で独立して生活しているものは,細胞内器官が発達している。同じ独立生活をする単細胞でも細菌は小さく,体のつくりがずっと簡単である。

多細胞生物では,器官や組織があって,それぞれ特有の形,大きさ,働きをもつ細胞からできている。それらは,すべて受精卵に由来するもので,同一の遺伝子ゲノムから各種細胞の分化をもたらす各遺伝子群の発現の調節の仕組みが目下大いに研究されている。

 

マイコプラズマとウイルス

マイコプラズマは,1898年ウシ肺疫の病原菌からP.P.E. Rouxによってろ過性微生物として発見された。1956年にマイコプラズマと命名された(D.G.EdwardE.A.Freundt)。マイコプラズマは,長さ0.51μm,幅0.5μm以下の最小の寄生性細胞で,体積は大腸菌の1/80にすぎない。マイコプラズマには細胞壁がなく,ふつうの細菌とは異なる。DNAの大きさは大腸菌の1/5程度である。

これに対して,ウイルスは細胞とはみなされず,遺伝物質(DNAまたはRNA)をタンパク質がおおった小粒子で,大きさは20300nm程度である。ウイルスは,毒を意味し,1898年にLoettlerによってウシの口蹄疫からろ過性病原体として発見された。タバコモザイクウイルスは,アメリカのスタンリー(Wendell Stanley19041971)によって1935年に結晶化され,生物と無生物の中間体として注目をあつめた。はじめは,ウイルスは原始生命とみなされた。遺伝物質とその保護タンパク質からなるからである。しかし,今日では,むしろ,細胞のDNARNAの一部が独立した後発的なものとされている。細菌に寄生するウイルスは,バクテリオファージとよばれる。ウイルスは他の生物に寄生しなければ増殖できない。ウイルスを最小の生物とみなす考えに反対する向きがある。

 

 

 








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