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実験1〔探究活動〕 盲斑の形と大きさ 

教科書p.104105  所要時間1時間

 

 

指導目標 実験を通して盲斑の存在を知り,目の構造についての理解を深め

る。

【準備】 割りばし,白い用紙(B4判程度),セロハンテープ,鉛筆,定規

【方法上の留意点】 盲斑の存在を知覚するのに教科書のこのページの代りに黒

板を,●印の代りに黒板上の点を,★印の代りに教員個人を使ってスケール・アッ

プしたデモ実験が可能である。生徒を教室後方中央に寄せ,黒板の右端に●印を書

き,生徒にはそれを見つめさせる。教員が黒板を右から左へゆっくり歩いて行く。

ある位置に来ると教員の姿は消えて見えなくなる。

実験B 盲斑の大きさと形を調べる

【準備上の留意点】 割りばしの先を赤く塗った点は意外に見えないことがある。

また,赤緑色覚異常の生徒は赤い点がよく見えない可能性がある。大き目の点にす

る,マチ針を刺すなど,よく見える点にする工夫が必要。

【方法上の留意点】 (1) 被験者の眼鏡は外す必要はない。

(2) 記録者はゆっくり点を動かすこと

(3) 被験者のわずかな眼球の動きで投影像は変化するので,厳密な実験とはならな

い。しかし,生徒に厳密さを要求するのは見当違いであろう。盲斑が簡単に投影で

きることが理解できれば十分である。

【結果】 ヒトによって盲斑の形も大きさも異なるし,同一人物でも右眼と左眼の

盲斑は異なる。

【参考】 網膜に盲斑がある動物は脊つい動物だけである。カメラ眼をもっている

動物,軟体動物頭足類のイカやタコの目には盲斑はない。これは網膜の構造が無脊

つい動物と脊つい動物では異なるからである。イカの網膜では視細胞が前を向いて

いるのに対し,脊つい動物の網膜の視細胞は後ろを向いている。そこで視細胞につ

ながるニューロンの軸索が網膜の内側,つまり目の前方に出てしまい,それらをた

ばねて眼球の外へ出す点が盲斑なのである。

このような網膜の構造は発生の違いによる。無脊つい動物では表皮系の組織に前

から当たる光がとり込まれるような形で眼球が発生したが,脊つい動物の場合は神

経胚で神経板両側のひだが盛り上がった神経褶が合体して神経管をつくることで

分るように,神経管では細胞の向きが逆転する。このような神経管のうち視葉が網

膜のもとである。

実験C 盲斑の知覚を調べる

【考察】 このような盲斑に関する多くの実験例はラマチャンドラン『脳の中の幽

霊』(河出書房新社)にある。簡単ながら視覚と脳の作用の複雑さを考察できる実験

が多数紹介されていて,大変に参考になる。一読をお薦めする。

【発展】 脊つい動物の眼の解剖実習にはブタの眼球が使える。大きな肉屋に依頼

すれば入手できる。ブタの眼球はヒトの眼球と同じくらいの大きさで,解剖にも手

間がかからない。ただし,ウシの眼球同様,網膜中に黄斑はない(黄斑があるのはヒ

トだけである)。また,ウシの眼球では脈絡膜に虹色の反射層があるが,ブタの眼球

にはそれはなくて,ただ黒いだけである。水晶体の遠近調節のしくみもヒトとは異

なるので,構造上のこまかい点をヒトの眼球にならって無理に観察させることのな

いように注意する。

 

 










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