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実験4〔観察〕 だ腺染色体の観察
教科書p.89 所要時間1時間
【指導目標】 (1) ユスリカの幼虫のだ腺染色体を実際にとり出して観察し,し
まの形やその配列のようすなどについて調べ,また大きさなども測定して,巨大染
色体についての理解を深める。

【準備】 ユスリカの幼虫(河川の泥底で採集,または,あかむしという名前で釣
具店やペットショップで入手できる),顕微鏡,ろ紙,柄つき針,先細ピンセット,
スライドガラス,酢酸オルセイン溶液,0.7%食塩水
【準備上の留意点】 (1) 昆虫などの解剖の場合は,0号の昆虫針(無頭。有頭の
場合は頭をペンチでとる)を利用した解剖針が最適である。先が細くじょうぶなた
め,解剖中に頭部をつぶしてしまって,だ腺を見失うことがない。特にキイロショ
ウジョウバエの幼虫のように小さいものの解剖には便利である。通常の柄つき針や
先細ピンセットでは余計な部分を壊してしまい,だ腺を見失うことがある。
(2) あかむしは下水が流れている浅い溝のどぶの表面に小さい円筒形の巣をつく
ってすんでいる。主にセスジユスリカ(IV齢幼虫の体長7〜14mm。2n=8) が多い。9
月から10月にかけて大量に採集できる。水槽に移し,通気をよくする。
釣具店ではアカムシユスリカ(2n=6)が入手できる。冷凍保存のあかむしからはだ
腺をうまくとり出せない。
(3) キイロショウジョウバエの終齢幼虫は飼育びんの壁にのぼってきてさなぎに
なる。上にのぼってきた幼虫では,だ腺染色体が観察されるようになる。
(4) だ腺染色体はほかの双翅類のだ腺でも観察可能である。たとえば人家性のカス
リショウジョウバエ(生ごみの上でよく採集される)はキイロショウジョウバエより
も大きく,じょうぶであり,同様に解剖や観察が可能である。
【方法上の留意点】 (1) 大きめの幼虫を選び,水で洗ってスライドガラスにの
せる。生理食塩水を滴下するが,ない場合は水でもよい。
(2) だ腺のとり出しについて;アカムシユスリカでは頭部から数えて2番目(頭部を
入れると3番目)の体節にだ腺がある。生徒は暗赤色の頭部と鮮赤色の尾部を確認で
きないことが多い。指導者が演示するとか,だ腺を確認するとかしたい。ユスリカ
やハエとはいえ,生徒の失敗に任せてやみくもに殺すことのないように心がけたい。
(3) だ腺がとれているのに,だ腺染色体がうまく染色されない原因は@染色液が古
い,Aだ腺の周囲に水分が残っていて,染色液が薄まづた,Bキイロショウジョウ
バエの3齢初期の幼虫では,だ腺染色体が見られない,などがある。
対策としては,@染色液を新しくする,A余分の水分をろ紙でよく吸いとる,B
大きくなって動きのにぶくなった後期の幼虫を選ぶ,.などである。
(4) 押しつぶしが弱いと,染色体が広がらず,強すぎると切れてしまう。
具体的な指示の例「カバーガラスの上からろ紙をのせたら,しみ出る染色液を目
安にカバーガラスの縁に沿って軽く指先でなぞりなさい(軽い押しつぶし)。次に,
右手の親指を左手の甲に当て,圧力を感じる程度の押し加減で,ろ紙の上から強く
押しつぶしなさい(強い押しつぶし)。」


