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実験1〔観察〕減数分裂と花粉の発芽
教科書p. 48〜49 所要時間2時間
実験A.減数分裂の観察
【指導目標】花粉母細胞が減数分裂を行い,花粉を生じる過程を観察させる。また,
体細胞分裂との違いや,減数分裂を観察するのに適した生物・器官を考えさせる。
【準備】ヌマムラサキツユクサまたはムラサキツユクサのつぼみ(いろいろな大きさの
もの),実験用具(酢酸オルセイン溶液,ろ紙,柄つき針,ピンセット)
【準備上の留意点】ムラサキツユクサ類は,1本の茎の先端に,複数のつぼみをつけ
るが,同一つぼみ内の6つのやくの分裂の過程が比較的同調しているので,いろいろな
分裂段階を観察するには,大きさの異なる複数のつぼみが必要である。生徒1人(また
は1班)に,複数のつぼみをつけたツユクサを最低1本以上は用意する。
【方法上の留意点】(1) いろいろな大きさのつぼみといっても,2〜3mmくらいのも
のを用いるとよい。それ以上だと必ず花粉になってしまっているし,それ以下でや
くが白いのは未熟である。白からごくうすい黄色味がかったやくがよい。1つとっ
て,スライドガラスにのせ,カバーガラスで押しつぶしたとき透明なものが出るの
がよい。
やくの長さを測ってからやくをとり出すとよい。
(2) 教科書p.49の写真を分裂各時期のめやすとして活用するとよい。
(3) 分裂中期やその前後で,うまく染色体数を数えられる細胞があるかさがしてみる。
生徒は,ピントが合うと,それでもうよしとしてしまう傾向があるが,プレパラー
トを動かして,よく見える細胞をさがすよう注意を与えるとよい。
【結果の整理】(1) 下の表に示すように,長さ2〜3mmのつぼみで,減数分裂が行わ
れているが,それ以外では分裂していないものが多い。
(2) つぼみの成長とともに,その中のやくの色も変化した。つぼみが2mmまでのやく
は白色であったが,2mmを越えるあたりから,ごくうすい黄色になり,以後少しず
つ黄色味が濃くなった。
(3) 減数分裂の過程で観察された染色体は,第一分裂中期で6本,第一分裂終期で12
本,第二分裂中期で6本観察された(1細胞あたり)。
(4) 未熟な花粉は,4つでひと固まりになっていて,形がほぼ球状であった。減数分
裂で1母細胞から4娘細胞が形成されるのと一致した。
▼ヌマムラサキツユクサのつぼみの長さと減数分裂
(各班6個ずつ×5班での例)
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つぼみの長さ〔mm〕 |
分裂前 |
第一分裂期 |
第二分裂期 |
未熟な花粉 |
成熟した花粉 |
|
1.5〜2.0 |
2 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
2.0〜2.5 |
1 |
3 |
0 |
0 |
0 |
|
2.5〜3.0 |
0 |
2 |
7 |
1 |
0 |
|
3.0〜3.5 |
0 |
0 |
0 |
1 |
2 |

【考察】 (1) つぼみの大きさ2〜2.5mmで減数分裂第一分裂が,2.5〜3mmで減数分裂
第二分裂が行われている。このとき,前者のやくの色あいは白色〜ごくうすい黄色
の状態で,後者のそれはう'すい黄色となっている。
(2) ヌマムラサキツユクサの染色体数は2n =12本(ヌマムラサキツユクサの倍数体で
あるムラサキツユクサの染色体数は2n =24)である。第一分裂では,相同染色体がく
っついて,両極へ分かれるので,第一分裂中期では染色体が6本ずつになっている(こ
の染色体を二価染色体という。二価染色体は4本の染色分体からなる)。第二分裂で
は6本のそれぞれが縦に分かれるので,第二分裂中期ではやはり6本ずつの染色体に
なっている。この染色体数が半減するのが減数分裂の特徴である。体細胞分裂では
染色体数は変わらない
(3) 減数分裂と体細胞分裂の違いのまとめ例
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体細胞分裂 |
減数分裂 |
|
@体をつくる細胞の分裂 A相同染色体は対合しない。 B娘細胞の染色体数は母細胞と同じ(2n→2n)。 C1個の母細胞から2個の娘細胞ができる。 |
@分裂の結果,生殖細胞(卵・精子・胞子など)ができる。 A相同染色体が対合する(第一分裂前期)。 B生殖細胞の染色体数はnへと半減する(2n→n)。 C1個の生殖母細胞から4個の生殖細胞ができる。 |
【参考】(1) 減数分裂の材料として,ヌマムラサキツユクサのほかにムワサキツユク
サ・ネギ・ユリなども適している。ムラサキツユクサは2〜4mmくらいのつぼみを用
いる。ネギ(2n=16)は,桜の花が咲く頃,まだ被膜が破れていない,開ききっていな
いネギボウズを採集する。カルノア液(エチルアルコール3:酢酸1)内で1晩固定し,
60℃の1N塩酸に数分間つけて細胞を解離し,観察する。長さ3mmほどのつぼみが適
する。やくは6個。保存は,固定後70%エチルアルコール中で,冷蔵庫で1年もつ。
テッポウユリ(2n
=24)は分裂の同調性が高く,よく研究に用いられる。2〜3cmのつぼ
みが適している。
季節により,次のような植物のつぼみを用いるとよい。
・3〜4月…ネギ
・5〜6月…タマネギ,ヌマムラサキツユクサ,ムラサキツユクサ,テッポウユリ
・6〜7月…カノコユリソ
・8〜9月…ニラ,ギボウシ,オオマツヨイグサ
なお,つぼみの大きさは,次の表を参考にして,減数分裂の見られるものを選ぶ。
▼花粉形成の時期とつぼみの長さ〔mm〕
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テッポウユリ |
ネギ |
オオマツヨイグサ |
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花粉母細胞期 |
10 |
1.5 |
4 |
|
減数分裂期 |
15 |
3.0 |
5 |
|
花粉四分子期 |
20 |
4.0 |
6 |
イナゴ(2n=23)やフタホシコオロギ(2n =29)などのほか,バッタはいろいろな種類で
観察できる。フタホシコオロギの精巣は1対ある。いずれも生材料が一番よいが,
ネギと同様にして保存もできる。
なお,動物細胞では,押しつぶした際,娘細胞がばらばらになることがある。第
一分裂と第二分裂が区別しにくくなるが,細胞の大きさの違いや染色体の太さの違
い,分裂時期の同じ2ないし4個の細胞が近くにかたまっていることなどから判断す
る。
(2) 染色液としての酢酸オルセイン溶液は,オルセイン2.2gをよくすりつぶし,加熱
した氷酢酸100cm3を加えて溶かしたものを原液とする。使用時は原液10cm3に蒸留水
12cm3を加え,ろ過して使用する。カーミンよりよく染まるが,値段が高い。酢酸カ
ーミン溶液は安価なので,利用しやすい。染まりが悪いときは鉄ミョウバンの1〜2%
水溶液を数滴加えるか,沸騰しない程度にプレパラート上で温めるとよく染まるよ
うになる。国産のものよりメルク社製のものがよいように思う。
実験B.花粉の発芽(花粉管の形成)の観察
【指導目標】花粉が発芽して花粉管を伸ばすようすを観察して,被子植物の重複受精
について理解を深める。
【準備】ホウセンカなどの成熟花粉,ピンセット,検鏡用具
【準備上の留意点】(1) 用意する花粉は,下表に示すように短時間で発芽するもの
がよい。ホウセンカは,どの系統も速いが,一重咲きのものは花粉が多いので扱い
やすく,また,インパチエンス(アフリカホウセンカ)でも同様に扱うことができる。
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花期 |
和 名 |
発芽時間 |
花期 |
和 名 |
発芽時間 |
花期 |
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