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実験3〔探求活動〕 体細胞分裂の過程

教科書p.29 所要時間2時間

 

 

【指導目標】 中学校でも根端分裂組織の観察を学習している(啓林館,新訂理

2分野下)。各分裂期の像をすべて見つけることは決して容易ではないが,高校

では,観察した分裂像をもとにして細胞周期の理解までを目標にしている。

(1) 体細胞分裂の各段階を観察し,体細胞分裂の過程に対する理解を深める。

(2) 観察できる細胞数をもとに,間期と分裂期,分裂期の各時期の長さなど,細

胞周期に関する理解を深める。

(3) 体細胞分裂を観察するためのプレパラート作成法を理解する。

【準備】 発根させたタマネギやニンニクなど,またはそれらの発芽種子など,

顕微鏡,スライドガラス,カバーガラス,柄つき針,ピンセット,カミソリ,ろ

紙,ガーゼ,ガスバーナー,ビーカー,試験管,三脚,固定液(95%エタノールと

氷酢酸の31混合液),希塩酸(),酢酸オルセインなど

【準備上の留意点】 

(1) 染色液は,酢酸オルセイン溶液か酢酸カーミン溶液のどちらかを使用する。

酢酸オルセインは長期間放置するとオルセインが沈殿し,プレパラートの作成

に邪魔になることがあるので,実験の前に新たに調整するか,ストックしてい

るものを使う場合は,事前に一度ろ過しておくとよい。

(2) 市販のタマネギの中には発根抑制処理がしてあって発根しないものもある。

この場合,発根部を水でよく洗い,冷蔵庫で数週間の低温処理をすると発根す

る場合もある。一方,コタマネギ(商品名ペコロス,ペテーオニオン)は安価で

数も多く,発根抑制処理がしていないので,根端が得やすい。また,ネギの種

子は,水で湿らせたろ紙をしいた大型ペトリ皿に播種すると数日で発芽して,

一度に同じ成長段階の根端が多数得られる。そのまま固定液に入れて冷蔵庫に

保存しておけば,実験は解離から始められる。この場合,固定は種子がついた

ままでするとよい。根端部だけを採取するのは手間であるし,種子があると根

端部の見極めが容易になる。

【方法上の留意点】 

<実験A> 体細胞分裂の観察

(1) コタマネギの発根について,510月に実験するときは,実験3日前に牛乳

びんや小形ビーカー10個に水を満たし,その上にコタマネギの鱗茎を置く。根

の部分が水面に接するようにする。これだけあれば,1クラス分の実験材料と

しては十分である。11月〜4月は気温が低いので,実験7日前ぐらいに準備し

ておくとよい。茶色のうす皮はむいた方がよく,1個のタマネギから1015

の根が出る。これらの発根準備は生徒にさせるとよい。発根には室内の明暗は

関係ないので,生徒がよく観察できる位置におく。根は1cm以上伸びたものな

らば,実験に利用できる。根の長さは34cm程度に伸びたものが扱いやすい。

(2) 染色後カバーガラスをかけ,ろ紙にはさんで上から親指で垂直に強く押しつ

ぶす。余分な酢酸オルセイン溶液ははさんだろ紙に吸いとられる。押しつぶす

ときに親指が横にずれると,細胞がねじれてしまい,きちんと観察できない。

(3) 顕微鏡実習の経験の少ない生徒にとって,分裂像をさがしだすことは簡単で

はない。まず,低倍率で分裂期の細胞が多く見られる部分をさがし,そこを視

野の中央に正確に移し,高倍率にあげて分裂像を観察させる。

<実験B> 分裂各期の時間経過の推測

 各期の細胞数を数える場所は分裂組織でなければならない。押しつぶし法でプ

レパラートを作成するので,分裂組織のすぐそばに根冠や表皮細胞,根の上部に

ある分化が進んだ細胞が並ぶことがある。分裂組織の細胞の特徴として,細胞が

小さくて球形で,細胞壁がうすいことなどを説明し,適切な細胞を数えさせたい。

【結果の整理・考察】 

<実験A> (1) 一見して間期が多いことがわかる。染色体の複製など,分裂

のための準備期として,所要時間が長く必要であると推測できる。

(2) 生徒は中期と後期の区別はよくできるが,前期と終期の区別に迷うことが多

い。染色体の変化に着目してスケッチさせ,分裂像の順序を識別させる。

(3) 終期の分裂像から,核分裂の後,細胞質が細胞板の形成によって分かれてい

(=細胞質分裂)ようすが観察できる。

(4) 分裂期の前後で核の大きさを比較すると,分裂前のほうが大きい。このこと

は,核に存在する物質の量が分裂の前後で変化することと関連があると考えら

れる。

<実験B> (1) タマネギの根端分裂組織を観察したものと,分裂の各時期の

細胞数の測定結果例をあげる。プレパラートを動かし,視野をかえて,各期の

データをとる。クラス全員のデータを合計するとよい。

(2) 顕微鏡視野における全細胞数から前期,中期,後期,終期,間期の細胞の割

合が計算され,それにより,各期の所要時間の相対的な長さが推測できる。こ

の時,分化して分裂能がなくなった細胞も間期に集計していれば,分裂期の割

合が低くなる。また,この実験だけからは実際の所要時間は分からないことを

確認しておきたい。

 

 










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