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A 神経細胞
◆神経細胞 (ニューロン)
きょく皮動物などの神経網から,中枢神経系をもつ動物の脳に至るまで,神経系
を構成する単位は神経細胞(ニューロン)である。神経細胞は複雑に分岐する突起(樹
状突起)をもち核の存在する細胞体(神経細胞体),これより1本長く伸長する軸索(神
経突起),その軸索の先端が分岐して次の神経細胞の樹状突起に付着する部分につ
くるシナプスからなる。神経細胞には二つの機能がある。第1は,活動電位を発生
して情報を電気信号に変えて伝導する機能であり,第2は,軸索の先端に達した活
動電位,すなわち信号パルスを次の神経細胞に伝えるシナプス伝達の機能である。
この二つの機能を持った神経細胞を複雑に組み合わせると神経回路になる。この神
経回路の複合体が神経系である。神経系は動物によって著しい発達の違いがあるが,
構成単位としての神経細胞には,動物間での差がない。このため,イカなどの無脊
椎動物の研究を通してヒトの脳の働きの解析ができるわけである。
◆髄鞘
軸索(神経突起)には,外側に髄鞘(myelin sheeth)をもつものがある。これが有髄神経
で,脊椎動物の大部分の神経はこれに属する1)。しかし,幼動物では髄鞘が未発達
なものが多い。髄鞘は,シュワン細胞(脳でのグリア細胞と相同)の細胞膜がぐるぐ
ると軸索に巻き付き,細胞質の大部分を失って電気的に絶縁性のある被覆となった
ものと考えてよい。しかし,1個のシュワン細胞の大きさは,普通の細胞程度なの
で軸索にからみついて伸長しても限度がある。その切れ目が,有髄神経に約2mm
間隔で存在しているランビエの絞輪である。興奮が軸索を伝わるとき,電位の変化
は絞輪の部分だけで起こるので,興奮の伝導速度は大になる(教科書p.136)
