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第4節 細菌の光合成と化学合成

 

A 細菌の光合成

◆細菌による光合成

細菌はふつう光合成は行わないが,緑色硫黄細菌・紅色硫黄細菌などの細菌は光合成を行う。この場合,光のエネルギーを用い,CO2を還元することは緑色植物と共通な点であるが,還元剤としてH2Oは使わず,H2SSH2などを用いる点が異なっている。したがって,O2の放出は見られない。なお,クロロフィルに類似したバクテリオクロロフィルとよばれる特殊な色素がそれに関係する。それらの反応は次の式で示すことができる。

 

CO22 H2S

 

 

CH2O〕十H2O2S

 

CO22 H2

 

CH2O〕十H2O

 

H2Sの発生する場所は特殊な環境で,一般的に生物の生育には適さない。その点H2Oを用いる光合成は,生物にとって非常に有利であることが考えられる。

 

B 細菌の化学合成

◆化学合成

化学合成とは,光のエネルギーのかわりに,無機化合物の酸化で生じる化学エネルギーを用いて,CO2から炭水化物を合成する炭酸同化の働きである。これは,クロロフィルをもたない特殊な独立栄養細菌にみられ,化学合成細菌と総称されている。主なものは下表の通りで,そのほか,水素酸化細菌,一酸化炭素細菌なども知られている。

 

化学合成では,まず,化学反応によって生じる化学エネルギーが用いられて,ATPNADPHH +がつくられる。次に,これらとCO2とから炭水化物がつくられるのである。

生徒はとかく,エネルギーを発生させる反応そのものが化学合成であるように誤解しがちなので,反応式については,光合成と異なる点・共通する点に指導のポイントをおくとよい。

 

 








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