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〔実験15〕 食性調査

              教科書p.206  配当時間 1時間

 

 

【指導目標】 生物群集においてもっとも重要な種間関係は食う者と食われる者の関係であるが,この関係を実際に観察することは困難である。そこで,いつでも入手可能な市販の生魚やその干物の消化器官を取り出して,内容物からその魚の食性を調べ,食物連鎖の一部を実感させることがこの実験の目的である。

【準備】 材料 イワシなどの小形の魚,煮干しや窯あげシラス(イワシの幼魚)

 器具 鍋,ピンセット,解剖バサミ,スポイト,スライドガラス,カバーガラス,顕微鏡,海洋プランクトン図鑑

【準備上の留意点】

(1) 生魚の方が内容物は新鮮で観察しやすいが,いつも入手できるとは限らないし,手で触れることやにおいを嫌がる生徒がいる。煮干しなどはいつでも使えるので便利であるが,乾燥してしまっているため,内容物が取り出しにくく観察もしにくい。

(2) 煮干しの場合は,あらかじめ鍋の熱湯中に35分程度入れてやわらかくしておく必要がある。そうしないと,胃や腸を取り出すときにすぐにバラバラになってしまう。

【方法の留意点】

(1) 腸や胃を切る際は,中身が出やすいように縦に切断する。スライドガラス上に出して,水を落としてから内容物を取り出し,残った腸壁などの大きな残骸は取り除いてからカバーガラスをかけるとよい。

(2) 熱湯で煮た煮干しでは,つながっている細い円筒形のものが腸で,その先にあるY字形をしているものが胃であるが,煮干しでは胃ははっきりしないことが多い。

(3) 内容物を観察する際に消化されたものが多いので,未消化で形が残っているものを根気よく探さないといけない。教科書にある図以外のものも見つかるが,これらを調べるために「海洋プランクトン図鑑」を準備する。

【結果の整理】

(1) 観察できたプランクトンなどを簡単にスケッチしておき,種類がわかるものは,「***類」のようにわかる範囲で名前を書き,可能であれば,それぞれの生き物の個体数を記録するとよい。

(2) 観察できる可能性のある生き物で圧倒的に多いのは,教科書p.206にもあるようにさまざまな種類のケイ藻類である。これは,殻が硬くて消化されにくいためである。そのほかには,ウズベン毛藻類・黄色ベン毛藻類・ラン藻類などの藻類も見つかる。ほかにはケンミジンコやオキアミ・ヨコエビ類などの体の一部が時々見つかる。また,小さな魚の鱗も見つかることがあり,これはイワシが食べた小魚の残骸である。

【考察】 イワシの腸内からは藻類(植物プランクトン)だけではなくて,動物プランクトンや小魚も発見される。このことから,イワシは食物連鎖の中の「第二次消費者」(小形肉食動物)に位置づけられる。

【発展】 イワシを材料にした加工品には,生イワシ・一夜干し・窯あげシラス・メザシ・煮干しなどさまざまな乾燥の程度や大きさが異なるものがあり,これらを比較するとよい。

 

 










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