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〔実験研究テーマ例 (3)〕 酵母の増殖

教科書p.275276

 

 

【指導目標】 酵母は,菌糸が退化しているが子囊菌類であり,出芽でも増えることで知られている。また,私たちの食生活と密接な関係をもつ微生物であり,さまざまな品種改良がされている。材料としては市販の乾燥酵母が扱いやすい。 酵母を栄養条件を変えて培養し,その個体数の増え方を調べてみる。個体数の増え方については,増える速度だけでなく,培養器の大きさと最大密度との関係なども調べることができる。

【準備】 トーマ血球計算器,乾燥酵母,三角フラスコ,スクロース,ペプトン,蒸留水,メスピペット,駒込ピペット,ペトリ皿,顕微鏡

【準備上の留意点】

(1) トーマ血球計算器の使い方の練習をかねて,酵母の観察をしておくとよい。乾燥酵母1 g 100ml の水に溶かし,さらに100 倍に希釈したくらいがちょうど観察しやすい濃度である。アルコール発酵の実験で使うような濃度では,酵母が視野にぎっしり重なり合って数えられない。

トーマ血球計算器のカバーガラスは,干渉縞ができるくらい密着させないと計算器とのすきまが0.1mm にならないので注意する。また,酵母の数を数えるのに計数カウンターなどがあると便利である。

(2) 培養条件は温度や光条件等まで含めて綿密に計画する。増殖状態にもよるが培養例に示した10% のスクロース濃度(500ml 50g)では5 日間程度の期間の培養には十分耐えうる。もし,5日で増殖が止まった場合は,酵母がスクロースを使い果たして増殖が止まったのか,密度による影響で増殖が止まったのかは別途検証しなければならない。計画に応じて培養条件を変えることも大切である。

(3) 培養液は滅菌後,冷えてから使用しなければならないので,酵母液をつくる前に,

滅菌保存しておく。また,酵母液は滅菌水を使用して希釈する。

【方法上の留意点】

(1) 酵母液はよく振ってから1ml ずつを加える。三角フラスコの口はアルミはく等でおおっておく。開け閉めした時は,口を火炎滅菌しておくとより安全である。

(2) 酵母は時間がたつと三角フラスコの底へ沈んでいくので,計測は次のように行う。培養液をよく振り動かし,さらにピペッティングをして全体をよくかくはんする。手早くピペットで血球計算器のくぼみに培養液を1 滴たらし,カバーガラスを気泡が入らないように注意してかぶせる。150 300 (低倍率)で検鏡し,一定の方形枠内の酵母の数をくり返し数え,その平均を出す。なお,方形枠の線上のものは,2辺の上のものだけを数え,他の2辺の上のものは数えない。また,出芽して母細胞に付着しているものも1 個として数える。

(3) 酵母の数は単位容積中の数(密度)で表す方が簡単である。総個体数を計算してみるのもおもしろい。

 

 

 








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