トップ生物>第4部 生物の集団>第4章 生態系の平衡とその保全>第2節 エネルギーの流れと物質循環

第2節 エネルギーの流れと物質循環

 

 

A エネルギーの流れ

◆生態系におけるエネルギーの流れ

下の図Aのように,つり池は1つのまとまった生態系であり,そこには生産者(植物

プランクトン),一次消費者(動物プランクトン,ユスリカの幼虫)二次消費者(双翅目昆

),三次消費者(クロマスの一種サンフィッシュ,バス),四次消費者(人間)という栄養

段階がみられる。利用可能な太陽エネルギーを730,000kcal/(m2・年)〕とし,それぞれ

の生物の示す生産力を1つの流れでみていくと,下の表や図Bのようになる。なお,P

の効率は1%であるが,光が水に反射したり吸収されたりするので,地上での効率より

は低くなる。

 

 

B 炭素の循環

 窒素の循環

◆リンの循環

自然界における塩類の循環の1つとして,リン(リン酸)をとりあげてみると,下の図

のようになる。リン酸は,核酸・ATP・リンタンパク質など原形質に不可欠で重要な成

分であり,しかも,自然界を循環している。このような有機リン酸化合物は,結局は

リン酸塩に分解され,それは植物に利用される。しかし,リンの大きい貯蔵庫は空気

ではなく,地質時代に形成された岩石などの堆積物である。これらはしだいに侵食さ

れ,リン酸塩を生態系に与える。このとき,多くのリン酸塩は海に流れ,その一部は

浅海の沈殿物の中に堆積し,一部は深海の堆積物として失われる。したがって,リン

をその循環路にかえす手段は,リンの消失を補うために不十分である。現在,世界の

どこでもこの堆積物の大規模な隆起は起こっておらず,また海鳥や魚の作用も十分で

はない。ペルー海岸のばく大なグアノ堆積のように,海鳥は明らかにリンを循環路に

帰すのに重要な役割を演じた。鳥によるリンや他の物質の海から陸への運搬は続いて

いる。人間は,不幸にもリンの消失の割合を促進し,リンの循環を不完全なものにし

ている。人間は多量の海産魚を収獲するが,1年間に採鉱されるリン酸塩岩石は100

200万トンで,その大部分が洗い流されているのに比べて,魚の収獲によって循環路に

かえされるリン元素の量は6万トンに過ぎないと計算されている。リン酸塩岩石の貯

蔵量がばく大であるから,リンの不足を直ちに心配することはないといわれているが,

リンの循環を完結させるような努力が,リン元素の将来の不足を起こさないために必

要であろう。

 

 








本サイトに掲載された記事や画像の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2009-2012 SHINKOSHUPPANSHA KEIRINKAN CO.,LTD. All rights reserved.