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第3節 酵素反応とその特性

 

A 酵素

◆触媒とは何か

デンプンの水溶液は,そのままではグルコースに分解しない。これは,ヨード反

応による呈色変化で示すことができる。ところが,だ液を加えてしばらくするとヨ

ード反応が消失する。これと同じことは,濃い硫酸(つまり水素イオン濃度を上げ

)存在下で100℃で数時間煮沸すると起こる。これら3本の試験管をあらかじめ用

意しておいて,デモンストレーションをしながら,触媒(無機と生体)の説明にかか

る。

 化学反応(物質の分解や合成)には,ふつうの条件ではなかなか起こりにくいもの

が多い。ところが,何かの物質を入れると,反応が速やかに起こってくることがあ

る。しかもその物質は反応の前後で変化しない。このように,それ自体変化するこ

となく化学反応の速度を調節する物質のことを触媒とよぶ。アンモニア(NH3)は窒素

と水素の化合物であるが,両者を混合しただけでは生成しない。ところが温度を上

昇させ(500),圧力をかけ(100気圧),そこに鉄粉(アルミ粉を含む)を加えるとアン

モニアが生じてくる。圧力をかけるのは,気体分子の密度を高めるためであり,高

温は分子の運動を促進する。そして,鉄粉が触媒の作用をする。鉄粉粒子の凹みに,

窒素と水素分子が入りこんで反応を起こし化合してアンモニアとなる。この鉄粉の

ような触媒は無機触媒とよばれる。酵素は生体触媒である。

 酵素が触媒する化学反応を酵素反応という。

 

実験1 カタラーゼの働きと条件

 

◆化学反応を促進する方法

一般に次図に示すように,Aという物質とBという物質との間で化学反応が起こ

る場合,まず,ABとが接触することが必要である。反応の場の温度を上げると,

その物質をつくっている分子の運動が活発になるので,接触の機会も増してくる

(a)ABの濃度や圧力を増しても,互いに接触する機会が増してくるので,

化学反応は起こりやすくなる(bc)

 また,ある物質の表面にABとを吸着させれば,ABとは広い空間よりも

接触の機会が増すので,化学反応は起こりやすくなる(d)。このように,接触の

媒介の働きをもっているものを触媒という。したがって,反応速度を増すためには,

物質の濃度・温度・圧力を増したり,触媒を用いたりする。

(a)

(b)

(c)

(d)

(a)温度を上げる。

(b)濃度を増す。

(c)圧力をかける。

(d)表面に吸着する。

 

◆酵素の触媒作用

酵素の触媒作用は,酵素の表面に反応物質(基質)を吸着して接触しやすくするだ

けでなく,反応物質を活性化して,その活性化エネルギーを低くして反応を起こし

やすくする性質もある。例えば,化学反応ABが起こるには,活性化エネルギー

hが必要であるとする。これは次の図のようにA点の石をB点に落とすことに相当

し,その場合,A点よりhだけ高いC点に石を上げなければならない。A点からC

点に石を上げることが活性化することに相当し,AC間の距離hを活性化エネルギ

ーと考えてよい。酵素の働きは,AC間の距離hを短くすることと,Aと石をC

で持ち上げること(活性化)で,活性化エネルギーを低くすることにほかならない。

活性化を起こす原因については,分極作用,電子変位,結合部のゆがみ,変形など

いろいろ考えられている。 

 

活性化エネルギー

 

B 酵素の性質

◆酵素の構造と作用

酵素とは,触媒作用をもつタンパク質と定義される。酵素タンパク質には,特

定の基質と結合する部位(結合ドメイン)と触媒作用を営む触媒ドメインとがあり,

近接する両者を合わせて活性中心とよぶ。例えば,タンパク分解酵素トリプシンは,

すい臓でつくられたときには活性中心が閉じているため酵素作用がなくトリプシ

ノーゲンとよばれる。十二指腸で分泌されるエンテロキナーゼによってN末端の6

つのアミノ酸からなるヘキサペプチドが切断されると,プラスの電荷があらわれ活

性中心のマイナス電荷に引きよせられる。すると活性中心が開いてアルギニンやリ

シンのアミノ基が結合ドメイン(アスパラギン酸のカルボキシル基)に結合できるよ

うになる。そこで近くの触媒ドメインのセリンのOHがアルギニンと続くアミノ酸

のペプチド結合に作用し,酵素の形の変化によってペプチド結合を切断する。

 

厳密には正しくない。転移RNA(tRNA)RNAを分解する作用のあることが知られ

ているからである。しかし,RNAの酵素作用はごく限られているのでふつう省略す

る。

 

 このように,酵素の特異性が基質結合ドメインの構造によって決定される。その

上で触媒部位のダイナミックな働きによって分解なり合成が行われる。後者の動き

は酵素がタンパク質という巨大分子であることによって可能となる。

 

◆酵素反応の競争的阻害

 酵素の一部に基質とは違った物質が結びつくと,酵素は基質と結合する能力を失

ってしまう。すなわち,基質に似た物質は,酵素反応を阻害することがある。

 例えば,サルファ剤などが,病原菌の生育阻止に効果を現すのは,酵素作用の阻

害物となるからである。サルファ剤は,アゾ色素プロントジルがブドウ球菌に感染

したハツカネズミに対して治療効果のあることをドイツのドマークが1935年に発見

してから開発された。このサルファ剤の成分であるスルフォンアミドは,葉酸の成

分のパラアミノ安息香酸と似ているため,葉酸の合成酵素を阻害する。その結果,

葉酸が細菌内で合成できず,葉酸を必要とするプリン合成ができなくなって生育が

止まる。

 

 

◆酵素反応の条件

酵素の触媒作用は,酵素の表面に反応物質(基質)を吸着して接触しやすくするこ

とと,反応物質を活性化して,その活性化エネルギーを低くして反応を起こしやす

くすることである。この触媒作用は,いろいろな条件で大きく変わる。

温度の影響 化学反応が高温で速やかに行われることは一般的法則であり,酵素の

触媒作用もその例外ではない。しかし,酵素の触媒過程では,反応が速くなるだけ

でなく酵素の熱変性も速く起こるのである。したがって,ある一定期間に対して,

最適温度があることになる。これは,ある条件下で,ある量の酵素によって,ある

時間以内に最大量の化学変化がもたらさせる温度のことである。教科書の図14は,

温度による反応速度の増加と,熱変性による活性の低下が反応速度に及ぼす影響と

の関係を無機触媒との比較から分かりやすく示したものである。煮沸など極端な加

熱は,タンパク質の各種の弱い相互作用を壊し,不可逆的な変化を与える。

pHの影響 酵素はタンパク質で,その表面のアミノ基やカルボキシル基のイオン

化状態はpHによって変わる。そこで酵素の活性部位の立体構造もpHの影響を受け

る。また,あまり高いpHやあまり低いpHでは変性が起こり,酵素タンパク質は不

活性化する。このようなことから,酵素作用には一定のpHが必要であり,酵素活

性が最高になる最適pHあるいは最適pH範囲があって,それ以上あるいは以下の

pHでは活性が下がる。最適pHは一般にその酵素が見出される細胞内の環境を反映

している。例えば,ペプシンの最適pH1.6であり,ペプシンが働く胃液のpH

12の間である。

その他の影響 アルコールやアセトンのような水に容易に溶ける有機溶媒は,親

水性と疎水性の両方の性質をもつ。このような有機溶媒が水に溶けていると,タン

パク質の親水性領域と接している水を有機溶媒が奪うとともに,タンパク質の内側

に位置している疎水性領域を表面に引き出す。その結果,タンパク質の立体構造が

変化し,酵素活性が失われる。有機溶媒が高濃度になると,タンパク質の立体構造

が壊れ不溶化する。また,尿素のように水素結合を弱めるはたらきがある化合物が

水に溶けていると,α-へリックスやβ-シート構造が取れなくなり,タンパク質の

機能ドメインが壊れる。また電荷をもつ界面活性剤(アルカリ洗剤,酸性洗剤)が存

在すると,界面活性剤の疎水部分が疎水性アミノ酸に結合し,タンパク質の内側に

ある疎水性領域に電荷をもたらすことになる。その結果,疎水性領域が親水性にな

り,タンパク質の表面に引き出される。したがって,立体構造が壊れ,酵素活性が

失われる。電荷をもつ界面活性剤が存在すると,タンパク質全体が電荷をもつこと

になり,親水性になるので可溶化される。こびりついたタンパク質が洗剤で洗い落

とされるのは,この原理がはたらいているからである。電荷をもつ界面活性剤とし

て,洗濯石鹸の他,ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)がある。SDSは実験に用いられ

る他,練り歯磨きにも含まれる。

 

◆補酵素

酵素の働きには,タンパク質の部分だけでなく,比較的低分子量で半透膜を通過

し,熱にも強い物質が酵素作用を補うものとして存在している。このように酵素作

用を補う物質を補酵素(または助酵素Co-enzyme)といい,酵素タンパク質(アポ酵素)

は補酵素と結合して,はじめて酵素(ホロ酵素)としての働きを示す。

 補酵素は非タンパク性の有機化合物で,その構成成分には,多くのビタミン類が

含まれる。なお,補酵素の役割をするものに,CuZnなどのような金属だけのも

のがあるが,このような場合は補酵素といわないで,補助因子(または賦活剤)とよ

ばれている。おもな補酵素には次のものがある。

(1)補酵素I(NAD) ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド(NAD)で,次図のよ

うに,リン酸2分子,リボース(五炭糖)2分子,アデニン(塩基)1分子,それに,ビ

タミンB群の1つであるニコチン酸アミド1分子からなる。

 解糖系やクエン酸回路などで脱水素酵素の補酵素として,広く生体の酸化還元反

応に関係している。脱水素酵素とNADとが基質と反応すると,基質の2個のH

子が,NADのニコチン酸アミドの部分に移り,NADは還元されてNADHとなり,

基質は脱水素,すなわち酸化される。つまり,酸化型のニコチン酸アミド部分(NAD

)で,Nのところに電子が移動してHのところが+となり,そこに水素2原子のう

ち,H2個の電子が結合して2Hとなり,還元型(NAD H)となる。水素イオン(H)

は放出される。

 

 

(2)補酵素U(NADP) ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)で,

上図のように,NADにもう1分子のリン酸の加わった構造で,NADと同じくニコ

チン酸アミドを含んでいる。NADATPから酵素反応によって合成される。その

作用はNADと同じく,脱水素酵素の補酵素として働く。

 

興味ある話

●触媒のアイデアは酵素の働きから生まれた

アンゼルム・ペイアン(Anselm Peyen17951871フランス)とジャン・ペルゾー(Jean

Persoz18051868フランス)1833年麦芽の抽出液をアルコールで沈殿させて,デ

ンプンを糖分に変える酵素をとり出した。彼等はジアスターゼと名づけた。スウェ

ーデンの化学者ベリツェリウス(Jōns Jacob Berzelius17791848)は,このジアスター

ゼの作用は,デンプンを別の物質に変化させるように働くがジアスターゼそのもの

は新たに生じた糖分には関係ないことを強調した。1835年,彼は,酵素の働きを説

明するために“触媒catalysis”の術語を新しく導入した。ベリツェリウスの触媒説を

支持したのがリービッヒである。彼自身,苦扁桃からアミグダリンを分解する酵素

エムルジンを1837年に発見していた。酵素enzymeの用語は,ずっと後になって,

キューネ(Willy Kūhne18371900ドイツ)によって,酵母yeastの中にあるものという

意味から提案された(1878)

●リンゴの皮をむくと変色するのはどうしてか?

 リンゴの皮をむいて空気中に放置しておくと,表面がしだいに変色してくる。お

ろし金でおろした場合はさらに変色が著しい。これは,細胞の一部が破壊されて空

気中の酸素に触れたため,酸化酵素が働き,各種のフェノール化合物やアスコルビ

ン酸(ビタミンC)が酸化され変色するためである。したがって,水の中にすぐ浸す

と変色がいくらか遅れる。

 食塩水に浸すと長時間変色しないのは,塩類が溶けていると酸素の溶解度が少な

くなることと,NaClによって酸化酵素の働きがおさえられるためである。

 空気中の酸素が細胞内に供給されるには,細胞を壊したほうがよい。したがって,

リンゴをナイフで切った場合よりも手で割った場合のほうが,細胞そのものが壊れ

る率が少ないので比較的変色しにくい。なお,リンゴジャムが変色しないのは,加

工過程で加熱によって酸化酵素が変性するからである。

●緑茶と紅茶の違い

 緑茶と紅茶は,同じ茶の葉からつくられるのに,どうして色や味が違うのだろう

か。緑茶は,摘みとった茶の若芽を蒸すかいった後に乾燥させてつくる。したがっ

て,葉の細胞に含まれている酸化酵素は熱のために働きを失うので,クロロフィル

はそのまま残り緑色を示す。一方,紅茶は,摘みとった茶の若芽をもんで発酵室に

入れ,酸化酵素でクロロフィルやタンニンなどを酸化させて,独特の色と香りを出

させた後,乾燥室で発酵作用を止める。すなわち,紅茶では,蒸す過程が省かれる

ので,酸化酵素はそのまま残り,その酵素によって赤茶色の変色物質(タンニン重合

物質)がつくられるからである。

 現在,ヨーロッパではコーヒーとともに紅茶が広く飲まれているが,その起源は

中国である。1610年ごろオランダ東インド会社の船が,マカオで中国の緑茶を持ち

帰った。紅茶はその後オランダを通して伝えられ,1750年ごろ輸入されるようにな

った。

 なお,紅茶を飲むとき,レモンを入れると色が薄くなるのは,レモンの酸(クエン

)によって変色物質が変化するからである。

 

◆酵素の種類

@加水分解酵素(ヒドロラーゼ) 水の助けを借りて基質を分解する。消化などに重

要な働きをする。

例;アミラーゼ(C6H10O5)n(デンプン)nH2O―→nC12H22O11(マルトース)

  マルターゼ C12H22O11(マルトース)H20―→2C6H12O6(グルコース)

A除去酵素(リアーゼ) 基質を加水分解によらずに分解する。

 例;カルボキシラーゼ(脱炭酸酵素)

  CH3COCOOH(ピルビン酸)―→CH3CHO(アセトアルデヒド)CO2

B転移酵素(トランスフェラーゼ) リン酸基やアミノ基などの原子団を,1つの基

質から他の基質に移す。

 例;クレアチンキナーゼ クレアチン+ATPDクレアチンリン酸+ADP

C異性化酵素(イソメラーゼ) 基質分子内の原子の並び方を変える。

 例;六炭糖リン酸イソメラーゼ グルコース・リン酸Dフルクトース・リン酸

D酸化還元酵素(オキシドレダクターゼ) 基質の酸化還元に関与する。細胞内呼吸

に重要な働きをもつ。カタラーゼや各種のデヒドロゲナーゼ(脱水素酵素)がある。

 例;乳酸脱水素酵素 CH3CHOHCOOH(乳酸)DCH3COCOOH(ピルビン酸)2H

E合成酵素(シンテターゼ) 多くの生体物質の合成を促進する。

 例;クエン酸合成酵素 活性酢酸+オキサロ酢酸Dクエン酸

 

◆消化

デンプンは,だ液やすい液に含まれるアミラーゼの作用で直鎖部分がグルコース

とマルトース(麦芽糖)に分解される。枝わかれの多い部分は,小腸の吸収上皮細胞

の細胞膜に固定されているマルターゼによってグルコースに分解される。小腸の吸

収上皮細胞の細胞膜にはアミラーゼもあって,短くなったデンプン(デキストリン)

を分解する。

 タンパク質は,胃でペプシンによって,いくつかのポリペプチドに切断される。

ペプシンは不活性型のペプシノーゲンとして合成され,胃内に分泌されてから,ペ

プシンによって一部が切断され,活性型のペプシンとなる。胃粘膜は多糖のねばね

ばした液で保護されている。十二指腸で,すい液が送りこまれる。すい液・腸液は

弱アルカリ性で酸性の胃液を中和する。すい液中には数種類のタンパク質分解酵素

を含んでいる。トリプシンとキモトリプシンで,これらも分泌されるときはトリプ

シノーゲン,キモトリプシノーゲンとも不活性型であり,それぞれタンパク質分解

酵素(腸のエンテロキナーゼ,すい液のトリプシン)によって活性化される。これら

はポリペプチドを小さなペプチドに切断する。ペプチドは,小腸の上皮細胞上のペ

プチダーゼ(カルボキシペプチダーゼとアミノペプチダーゼ)によってアミノ酸に分解

される。

 脂肪は,十二指腸で胆汁と混ぜあわされ,細かい粒になる。すい液中のリパーゼ

は,胆汁で活性化されて,脂肪をグリセリンと脂肪酸に分解する。

 

酵素の研究史

イタリアのスパランツァーニ(L.Spallanzani) 1783年に,タカの胃に入っていた肉片が溶けている のを観察し,胃にタンパク質を溶かすものがあるこ とを示した。それを実証したのはシュワンである。彼は,動物で細胞説を提唱した人で,胃の消化酵素を取り出しペプシンと命名した。(1836)

 酵素を物質として最初に単離したのは,フランス のペイアン(A.Payen)とペルゾー(J.F.Persoz) ある。砂糖工場の支配人であるペイアンとデキストランを発見した化学者のペルゾーは,デンプンを糖に変える物質を麦芽から取り出しジアスターゼと名づけた(1833)。ジアスターゼの語尾のaseは,1898年デュクロー(E.Duclaux)の提唱により,酵素名の語尾に用いられるようになった。

 酵素の作用については,1837年にスウェーデンのベルツェリウス(J.J.Berzelius)が触媒作用の概念を化学反応論から提出して,理解されるようになった。酵素の本体については,ペイアンとペルゾーが物質であることを示したにもかかわらず,発酵をめぐるパスツール(L.Pasteur)とリービッヒ(J.Liebig) の長い間の論争(18401850)によって謎に包まれた(「リービッヒ・パスツール論争」の項参照)20世紀に入ってから,マイヤーホフ(O.Meyerhof)らにより,発酵に関する多くの酵素の発見と,その作用が解明された。

 酵素の本体を本格的に研究したのは,ドイツのウィルシュテッター(R.Willstatter)で,サッカラーゼなどを精製し,酵素は高分子量の担体と低分子量の活性基からなると考えた(1920年代)。アメリカのサムナー(J.B.Sumner)はウレアーゼを結晶化し,酵素はタンパク質であることを示した。これに対し,ウィルシュテッターは微量の活性基を含んでいるのではないかと批判した。その後,ノースロップ(J.H.Northrop)がトリプシンやペプシンなどを結晶化し,これが純粋なタンパク質であることを示したので,1940年代になって酵素は触媒作用をもったタンパク質であると認められるに至った。

1783年 スパランツァーニ

 タカの胃の消化作用を観察

1833年 ペイアンとペルゾー

 ジアスターゼの単離に成功

1836年 シュワン

 胃の消化酵素ペプシンの命名

1837年 ベルツェリウス

 触媒作用の概念を提出

18401850年 パスツールと

 リービッヒ 発酵原因の論争

1878年 キューネ

 酵素(enzyme)の命名

1897年 ブフナー

 酵母からチマーゼを抽出

1898年 デュクロー

 アーゼ(ase)を酵素名の語尾

 につけることを提唱

1922年 ウィルシュテッター

 酵素は,高分子量の担体と低

 分子量の活性基からなると提唱

1926年 サムナー

 酵素はタンパク質と提示

1930年代 マイヤーホフら

 発酵に関する諸酵素の発見

1940年代

 酵素は触媒作用をもつタンパ

 ク質と認められる

 

 








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