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第4節 動物の生殖

 

A 動物の配偶子形成

◆ほ乳類の配偶子形成

精原・卵原細胞は発生の過程で,生殖巣に位置する以前には始原生殖細胞に由来し,やがて移動して性的に未分化な状態の生殖巣に定着し,増殖して精原・卵原細胞へと分化したものである。これらの精原・卵原細胞も,増殖を繰り返してそれぞれの細胞数を増加させる。その後これらの一部が減数分裂の準備期に入り,一次精母・卵母細胞となり,長い休止期の後に減数分裂を行う。この際,卵は著しい不等分裂によって形成されるので,1個の卵原細胞から1個しかできない。なお,ほ乳類では,右図中Aの時点で排卵が生じ,Bの時点で受精が行われる。

 

B 動物の受精

◆ウニの受精

卵に精子が出会うのは化学走性によると考えられているが,確実に証明されたものは,シダの精子が造卵器の出すリンゴ酸に走化性を示す現象である。ウニでは精子が卵表面の卵膜に接すると先体反応が誘起され,先体突起が伸びて卵膜に入り,卵と精子の結合が生じる。また,先体にはキモトリプシン様の酸素など何種類かの加水分解酵素が含まれ,卵膜を溶かして精子の侵入を助ける。精子が侵入すると,0.11秒で卵表面の細胞膜レベルでCa2が関係する膜電位の変化が生じ,不完全で一時的ではあるが他の精子の侵入が妨げられる。ついで,数分後には,卵細胞の表層顆粒がこわれて卵膜成分と化学反応が生じ,受精膜が形成され,確実に精子の侵入が妨げられるようになる。

 

ウニの受精の過程

卵の表面は,透明なゼリー層でおおわれている。この層に精子が達すると,先体がこわれて,中から先体糸とよばれる糸状のものが突き出て,その先端が卵の細胞膜に付着する。

 精子の侵入にともなって,卵の表面に受精丘(受精突起)ができる。この受精丘を中心として,表面に薄い膜が浮き上がる。これを受精膜という。受精膜は,やがて卵全体からはなれて,卵との間は液体で満たされた状態になる。

 卵の中に侵入した精子は,やがて尾を失い,頭部が180°回転し,精子の中片から星状体ができ,頭部は核状に変化して精核となる。

 卵核と精核は互いに接近し,ついに両核が融合して受精の全過程を終わる。受精により,単相(n)の精子と卵から複相(2n)の受精卵となる。したがって,受精卵から出発して成体となる子は,親と同じ複相(2n)になることを強調したい。同時に,受精により,両親の核物質(染色体)が組み合わされる

結果,子は遺伝的に新しい組み合わせになることも推論させるよう指導したい。

 

 








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